水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
90 巻, 1 号
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「論文」
  • 木村 慎一, 岩永 秀, 及川 智, 北田 真吾, 米田 優宇, 荒井 康裕, 小泉 明
    2021 年 90 巻 1 号 p. 2-12
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2022/01/01
    ジャーナル フリー
    水道水のおいしさに影響する異臭味の被害は大きな課題であり、東京都水道局では独自の取り組みとして、水道水中のかび臭原因物質である2-MIB に関して、3ng/L 未満とすることを掲げている。水質が良好な多摩川上流域でも高濃度の2-MIB が検出されており、粉末活性炭注入で対応している。そこで、微粉末活性炭の適用による確実かつ効果的な除去を行うため、沈澱水中の微粉末活性炭の残存量と中間塩素処理による2-MIB の再放出の関係を調査するとともに、PAC と高塩基度PAC に加え、高分子凝集剤の併用条件における凝集沈澱実験を行った。これにより、2-MIB の再放出を抑制し、目標水質を確保するための微粉末活性炭の注入率及び凝集沈澱処理条件を確立することができた。
  • 横井 貴大, 荻野 賢治, 細田 耕, 舩岡 英彰, 小倉 明生
    2021 年 90 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2022/01/01
    ジャーナル フリー
    トリクロロ酢酸(TCAA)は、有機物が塩素処理されることで生成する消毒副生成物であり、2015年には水道水質基準値が0.03mg/L に改正され、より一層の管理が求められている。京都市では2013年に、給水TCAAが0.019mg/L と過去最大値を記録したが、同時期の原水ではラフィド藻類が初めて観察されており、その消長は給水TCAA の推移と一致していた。そこで、ラフィド藻類単藻株を塩素と反応させたところ、細胞数の増加に従い、TCAA 生成量も増加していた。以上のことから、京都市給水TCAA が上昇した原因は、原水中のラフィド藻類が塩素処理されたためであることがわかった。そのため京都市では現在、原水ラフィド藻類発生時には、前塩素処理の停止等の対策を講じている。
「事例報告」
  • 山田 忠, 勝田 瑞基, 酒井 大貴
    2021 年 90 巻 1 号 p. 21-34
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2022/01/01
    ジャーナル フリー
    近年、我が国は大規模な寒波に見舞われ断水被害が発生しており、寒波による断水被害を最小限にする対策や対応が求められる。本報は、自治体広報紙による家庭内水道管の凍結対策に関する情報提供のあり方に資する基礎資料の提供を目的に、2016年1月寒波前後の福岡県内60自治体の広報紙における水道管凍結対策記事を調査・分析した。その結果、①自治体の断水被害に関係なく、2016年1月寒波を契機に記事数が増加し、その後も継続して掲載されていた。②記事内容は屋外管の保温対策や破損した場合に自治体指定の給水装置工事事業者に修理を依頼するなどの項目が多かった。③記事内のイラストは断水被害を経験した自治体の方が掲載する傾向にあった。
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