水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
90 巻, 8 号
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「論文」
  • 高橋 英司, 川瀬 悦郎, 小坂 浩司, 浅見 真理
    2021 年 90 巻 8 号 p. 5-15
    発行日: 2021/08/01
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー
    平成28年1月末、阿賀野川上流域で工場排水由来の異常臭気による水質汚染事故が発生した。水質汚染事故の原因となった水質項目が臭気であったため、日常的に実施している簡易臭気試験で異常を迅速に検知することができ、また、速やかに上流域の調査を行い、発生源である工場排水が推定できた。国や県の機関と連携し、高分解能質量分析計等による分析結果や原因物質候補の情報共有等を行い、原因物質として2-メトキシ-3, 5-ジメチルピラジンが特定された。原因物質特定後も、分析方法の改良、実態調査等を行い、これらの情報も共有した。本水質汚染事故を踏まえ、未知化学物質の特定には、専門的な知識や高度な分析機器も必要となるため、水道事業体単独よりも、早い段階から国や県の機関と協力することにより、多面的かつ有効な情報が集約され、有効であると考えられた。
「事例報告」
  • 細田 耕, 勢川 利治
    2021 年 90 巻 8 号 p. 16-21
    発行日: 2021/08/01
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー
    事業場排水について浄水処理対応困難物質に関する調査を行い、検出状況を業種ごとに分類した。トリメチルアミン及び1,3,5- トリヒドロキシベンゼンは、病院など医療関係の事業場から検出されることが多かった。臭化物イオンは、繊維工業、化学工業、非鉄製造業、金属製品製造業、学術・開発研究機関及び洗濯・理容・美容・浴場業からの検出が顕著であった。特に、洗濯業では検出される頻度が高く、検出濃度も高かった。これは、消毒剤として利用されたと推測される。本調査により、浄水処理対応困難物質に対して求められている「非常事態が生じた際に発生源を特定できるように、どこで使用されているかを把握する」ための資料をまとめることができた。
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