不飽和ポリエステル樹脂を基材とするガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の長期信頼性に影響する諸特性の耐候性劣化を評価するため,GFRP板を宮古島暴露試験場にて5年間暴露した.1年ごとに回収したGFRP板について,減肉量,曲げ強度,疲労強度を測定した.減肉量は,10 µm/年でほぼ線形であった.曲げ強度は,暴露前の強度に対して有意な変化はなかった.疲労強度は,2年目の疲労強度が暴露前の疲労強度から40%と大きく低下したが,3年目以降はほとんど変化がないという結果を得た.暴露期間と疲労強度低下との関係を明らかにするため,表面粗さの影響を評価した結果,暴露前に比べて1,2年目では表面粗さが大きく変化し,3年目以降の変化は小さく,疲労強度の変化と同様の傾向にあることを確認した.そのため,本研究で確認された疲労強度の低下は,耐候性劣化による表面粗さの変化によるものと推定する.