日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
19 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 南野 勝彦, 大鶴 勝
    原稿種別: 本文
    2011 年 19 巻 3 号 p. 115-120
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    マイタケ水抽出物はB2C1前駆脂肪細胞の分化を抑制する.我々は種々の脂肪細胞(B2C1,3T3L1,ヒト由来白色脂肪細胞)におけるマイタケ水抽出物の普遍性を比較検討した.マイタケ水抽出物はB2C1のみならず,3T3L1およびヒト由来白色脂肪細胞のいずれにおいても,PPARγとC/EBPαの発現を減少させ,脂肪細胞の分化を抑制した.これらの結果はマイタケ水抽出物中の脂肪細胞分化抑制活性が動物由来およびヒト由来脂肪細胞においても普遍的であることを示している.
  • 中村 和夫, 川村 拓未, 本間 裕人, 中西 載慶
    原稿種別: 本文
    2011 年 19 巻 3 号 p. 121-124
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    食塩存在下できのこの発酵能を用いた発酵食品を製造するために,耐塩性プロテアーゼを生産するきのこ株を選抜することを試みた.フスマ固体培養で試験した食用および薬用きのこの35株からプロテアーゼ活性および比活性が高い13株を選抜した.味噌醸造で用いられる食塩濃度のプロテアーゼ活性に及ぼす影響を13株について検討した.10%食塩濃度下において35%以上の相対活性を示す7株を選抜した.これらのきのこ株は味噌製造において利用できる可能性が認められた.さらに7株について醤油醸造に用いられている食塩濃度の18%食塩存在下で耐塩性を検討したところ3株は残存活性が10%以上維持されていた.選抜した3株の中で13.7%の残存活性を示したマンネンタケYFH株が最も高い耐塩性プロテアーゼ生産株であることを見出した.マンネンタケYFH株の生産するプロテアーゼの耐塩性は市販の麹菌A.oryzae由来のプロテアーゼの耐塩性よりも優れていた.
  • 浜名 康栄, 林 秀謙, 新津 勝, 江口 文陽
    原稿種別: 本文
    2011 年 19 巻 3 号 p. 125-131
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    きのこの子実体81試料より酸抽出したポリアミン画分を高性能(高速)液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)により分析した.分析したきのこ種は新規に分析した33種を含む72種(子嚢菌門の3種,担子菌門69種)であった.芳香族アミンである2-フェニルエチルアミン(β-フェネチルアミン)がニクウチワタケ,カバイロツルタケ,オオヒメノカサ,フクロタケの4種に検出された.きのこにおける2-フェニルエチルアミンの存在に関する最初の報告である.Boletus属とAuricularia属でのホモスペルミジンとカナバルミンの分布と広範囲の属でのアグマチンやカダベリンの存在を追加確認した.
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