日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
27 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 鮫島 由香, 由良 知佳, 薦田 媛香, 田畑 麻里子, 松井 徳光
    2019 年 27 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文ではスエヒロタケを用いて発酵黒大豆を調製した.発酵黒大豆の抗酸化活性は未発酵の黒大豆よりも高かった.発酵黒大豆中のイソフラボンの変化を調べたところ,グリコシド型のイソフラボンであるダイジンおよびゲニスチンが減り,アグリコン型のイソフラボンのダイゼインが増加していた.また,発酵黒大豆懸濁液中にはジヒドロダイゼインが生成したことも明らかにした.スエヒロタケの発酵能により生じたこれらのイソフラボンが抗酸化活性の維持に関与していることが示唆された.
  • 寺西 克倫
    2019 年 27 巻 2 号 p. 61-66
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    Mycena lux-coeliの生物発光の化学的機構は不明であった.本研究では,M. lux-coeliの発光システムを特定したので報告する.化合物trans-3-hydroxyhispidin (1)は,生物発光している生のカサのヒダの発光を誘起し,その誘起させられた発光の発光スペクトルは,自然の生物発光の発光スペクトルと一致した.化合物1に対する光生成酵素をカサのヒダから非水溶性の状態で部分精製した.化合物1により誘起させられた発光と自然の生物発光は,化合物1のm-位水酸基が欠損した類縁体2の添加によっては,ともに影響をうけなかった.一方,化合物1のm,p-位水酸基が欠損した類縁体3は,どちらの発光も強く阻害した.上記のように,化合物1による発光と自然の発光の上記の性質は一致し,生物発光は,化合物1と非水溶性の状態で存在している光生成酵素の反応によると結論づけた.
  • 川口 信久, 林 未来, 山口 武視, 霜村 典宏, 会見 忠則
    2019 年 27 巻 2 号 p. 67-69
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    転写分析の結果から,Grifola frondosaの成熟および収穫後の子実体におけるポリケチドシンターゼ遺伝子1(pks1)の発現が,劇的に増加した.したがって,PKS1は,この多孔性きのこにおけるメラニン生合成と密接に関連し,1, 8-ジヒドロキシナフタレン(DHN)経路を介したメラニン合成の役割は,子実体の腐敗のための事象であると示唆された.
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