試料として489種類のきのこの子実体より酸抽出したポリアミン画分を高性能液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーにて分析した.その結果,子嚢菌に分類される11属21種と担子菌に分類される135属309種の合計330種のポリアミン成分構成が明らかになった.ジアミン類(ジアミノプロパン,プトレスシン,カダベリン),スペルミジン,スペルミンが主要ポリアミンとして広範囲のきのこ類に分布していた.ホモスペルミジンが高含量のきのこにはカナバルミンも検出され,両ポリアミンの分布は数属に特異的であった.グアニジノアミン類のアグマチンを主要ポリアミンとする種も多く注目される.ニガグリタケなどにはノルスペルミジン,ノルスペルミン,サーモスペルミジンが検出され,アミガサタケには分岐型三級テトラアミン類も検出された.同一きのこ種では,自生野生種と人工栽培品種とでポリアミン成分構成は一致し,幼菌と老菌とでも構成に大差はなく,各々の種や属で特徴的であった.きのこには多種類のポリアミン成分が検出され,その成分構成は多様であり,構成パターンの特徴はきのこの系統分類と対応しているように思われる.
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