日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
12 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 中村 友幸, 松郷 誠一, 兎束 保之, 松尾 純孝
    原稿種別: 本文
    2004 年 12 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2004/04/25
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    メシマコブ菌糸体の一般毒性試験およびI型アレルギー抑制効果に関しての動物実験を行った.単回経口投与急性毒性試験に関しては,死亡発現の例はなく,最小死亡量およびLD_<50>値は2,000mg/kgを越えるものであり,メシマコブ菌糸体由来成分を経口投与した場合,2,000mg/kg以下の用量においては毒性兆候の発現はないものと判断された.I型アレルギー抑制効果に関しては,メシマコブ菌糸体由来成分を経口投与することで血中IgE値の産生抑制および皮膚アレルギー症状の抑制作用が認められた.この傾向はメシマコブ菌糸体熱水抽出成分投与群で最も著明に認められた.
  • 種坂 英次, 吉田 元信
    原稿種別: 本文
    2004 年 12 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2004/04/25
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の野生きのこ食習慣に関する一般論について,民俗学者によって得られた情報を統計学的に分析した.東北日本と西南日本のそれぞれにおいて利用されるきのこの種数の分布は互いに大きく重複したが,両地域間で有意な差があった.2つの要因,利用種数および保存のために塩蔵される種数と乾燥される種数との差,を用いた散布図において両地域は互いに異なるクラスターを形成した.これらの結果から,日本の野生きのこ食習慣を分析するための,利用種数および保存方法からなる簡単なモデルを提唱した.このモデルを用いた中部日本における事例分析において,東北日本から西南日本に至る食習慣の推移が保存方法の差異によって明瞭に示された.さらに,三重県は多様なきのこを利用し保存する東北日本および収穫物を乾燥保存する西南日本の接触地帯として注目された.
  • 水口 茂
    原稿種別: 本文
    2004 年 12 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2004/04/25
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    マツタケ子実体からの胞子の放散,発芽や伸長に関する研究は少ない.本実験の目的は実験室内で胞子の放散数と胞子落下期間を明らかにすることである.胞子紋は暗黒条件下で調査した.胞子紋は落下後1日目にみられ,子実体1本当りの落下胞子量は落下後3日目に最も多くなった.16日間の胞子総数は約74億個であった.胞子の形態と落下後の経過日数との関係は認められなかった.培養した胞子は14日目に発芽が観察され,20日目には菌糸の伸長が観察された.
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