日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
選択された号の論文の715件中151~200を表示しています
  • 伊井 清人, 大塩 茂夫, 赤坂 大樹, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1J24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    チタニア表面での反応を表面プラズモン共鳴(SPR)現象の利用した手法で捉えられる, 本手法は金属膜表面の屈折率の変化を感度良く捉えられるため, 金属膜上にチタニアを配することでチタニアの表面での屈折率変化から表面状態を評価できる. 本研究ではチタニアを金膜上に積層したSPR素子のチタニア上に疑似体液を塗布し, チタニア上でのアパタイト形成の初期過程のSPR現象を利用した検出を試みた. SPRが発生する角度が時間経過に伴って上昇したことからチタニア上へアパタイトの析出の初期過程をSPR現象を利用して検出できることが示された.
  • 庄 志, 三木 拓也, 湯本 みどり, 相澤 守
    セッションID: 1J25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    生体硬組織の無機主成分である水酸アパタイト(HAp)は結晶学的に六方晶系に属し、a面とc面という二つの結晶面がある。我々はこれまでにアパタイト単結晶ファイバーを出発物質として、a面を多く露出したHApセラミックスの作製に成功している。本研究では、このHApセラミックスのナノレベルでの配向構造を明らかにするために、高分解能透過型電子顕微鏡を用いて、その超微細構造の解析を行った。制限視野電子線回折と格子像を解析したところ、各結晶粒は結晶方位が異なるが、a面を選択的に露出しており、出発原料の時点で確認されたナノレベルの配向性がセラミックス化した後でも維持されていることが分かった。
  • 梅沢 卓史, 井村 浩一
    セッションID: 1J27A
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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     骨の無機主成分であるハイドロキシアパタイトの焼結体は、生体親和性が高く、優れた人工骨として臨床応用されている。なかでもハイドロキシアパタイト多孔体は、骨欠損補填材料として既に広く臨床使用されている。我々は、より骨伝導能を高め、骨補填材内部まで骨や骨髄組織を形成し、生体組織と一体化する材料の製造検討を行い、組織侵入性に非常に優れた独自の多孔体構造を有するハイドロキシアパタイト多孔体の骨補填材の開発に成功した。また、体重負荷に耐える初期強度を有する人工骨補填材の開発も行った。多孔体に高い圧縮強度を有する緻密体ハイドロキシアパタイト焼結体を組み合わせる方法について検討を行い、多孔体-緻密体コンポジット構造の骨補填材の開発に成功した。
  • 加藤 康之, 横井 太史, 川下 将一, 金 日龍, 菊田 浩一, 大槻 主税
    セッションID: 1J29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    鉄化合物は、交流磁場中で発熱する性質を持つことから、体内深部のがんの温熱治療に対する有効な発熱体となり得る。鉄化合物を骨腫瘍の温熱治療に適用する場合、鉄化合物粒子に骨と結合する性質を付与する必要がある。本研究では、化合物中の鉄の価数に着目し、Fe-O系セラミックス粉末の組成と体液模倣環境における骨類似アパタイト(HAp)形成の関係を調べた。その結果、鉄、マグネタイト及びヘマタイトがアルミナに比べて、高いHAp形成能を持つことが分かった。鉄化合物粒子表面でのHAp形成は、粒子の表面酸化による水酸化物イオン濃度の局所的な上昇だけでなく、表面に形成された水酸基のリン酸イオン吸着によっても促進されると考えられる。
  • 川下 将一, 川村 宏輝, 李 志霞, Jeyadevan Balachandran, 光森 通英, 平岡 真寛
    セッションID: 1J30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    これまでに演者らは、マグネタイト(Fe3O4)やマグヘマイト(gamma-Fe2O3)などの磁性ナノ粒子を含有するポリメチルメタクリレート(PMMA)骨セメントを作製し、その骨腫瘍加温材料としての有用性を検討してきた。磁性ナノ粒子はその粒子径により、ヒステリシス損失または緩和損失の何れかの機構によって発熱する。そこで本研究では、粒子径を制御した磁性ナノ粒子を含むPMMA骨セメントを作製し、種々の交流磁場下における、同セメントのin vitro発熱特性を調べた。
  • 川井 貴裕, 嶋 博司, 松嶋 雄太, 鵜沼 英郎, 川村 宏輝, 李 志霞, 川下 将一
    セッションID: 1J31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    深部癌の低侵襲治療法として,患部に磁性材料を送り込み外部磁場により発熱させ癌組織のみを選択的に壊死させる温熱治療が注目を集めている.強磁性を示すマグネタイト(Fe3O4)微粒子は,本法の対象物質として有用であるが,毛細血管を閉塞させる材料サイズと高い発熱特性をともに達成するには,Fe3O4を微粒子のまま高分散させた微小球を作製すればよい.本研究では,Fe3O4微粒子をPMMA中に内包した微小球の作製を試み,その磁気特性を評価した.MMAモノマーに対するFe3O4の表面処理剤としてオクタデシルトリエトキシシランを使用した結果,Fe3O4微粒子がPMMA中に48wt%(17vol%)充填されることがわかった.試料の飽和磁化の値はFe3O4充填率と相関関係を示す傾向にあることが確かめられた.
  • 赤澤 敏之, 村田 勝, 中村 勝男, 執行 達弘, 野村 隆文, 稲野 浩行, 山岸 暢, 板橋 孝至, 飯田 俊二, 柏崎 晴彦, 伊東 ...
    セッションID: 1J32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    溶解析出法によりサケ由来アパタイト/コラ-ゲン(HA-C)複合粉末を作製し、その微細構造と生体組織適合性・吸収性の関係を検討した。サケ骨焼成アパタイト(b-HAp)は、微量Na、Mg含有Ca欠損水酸アパタイト(HAp)であった。b-HApを硝酸溶解、pH9-10で析出させたアパタイト(dp-HAp)は、比表面積と直径3-30nm.の部分細孔容積が大きいミクロ・メゾ細孔を有するフロック状凝集粒子が観察された。b-HApの硝酸溶液とサケ皮のコラ-ゲン溶液を組成比 3.5で混合、pH7-8で熟成したHA-Cは、dp-HApと類似の微細構造を示し、ラット背部皮下組織内へ埋入2週後で、HAp粒子内へ体液が浸透し、化膿性炎症は無く巨細胞浸潤が認められ、生体吸収性は良好であった。
  • 高智 彬徳, 菊池 正紀, 城崎 由紀, 早川 聡, 尾坂 明義
    セッションID: 1J33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    水酸アパタイト/コラーゲン骨類似ナノ複合体(HAp/Col)を用い、アルギン酸ナトリウム(Na-Alg)をゲル化剤とすることによって、骨欠損部に注射器などで直接体内に注入後、その場で骨再生できる生体活性の高い人工骨材料の作製を試みた。粒径100-212μmのHAp/Colを種々の条件でアルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム水溶液または水を混合し、型に詰め、インキュベータ(37°C, RH100%)中に24時間静置した。型から取り出した混合物は、ゲルまたはパテのような性質を示した。この結果から、この方法を用いればインジェクタブルなHAp/Col複合体人工骨材料が作製可能であることがわかった。
  • 梅田 智広, 三村 時生, 濱 睦, 武者 芳朗, 幸田 清一郎, 板谷 清司
    セッションID: 1J34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    手術の際に骨からの多量の出血を抑制する材料として,ミツロウを主成分とする粘土状の止血剤が使用されている。しかしながら,この止血剤は生体親和性に乏しいため,骨同士の接着を抑制するなどの問題が指摘されている。演者らは,エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合体(EPO)を使用して,接着作用と止血作用を有する新規骨止血剤の調製条件を検討している。本研究では,EPOに対して,(i) 再石灰化作用を有するリン酸化オリゴ糖カルシウム(COP)や,(ii) COPを水熱調製して得た水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2; HAp)をそれぞれ複合化し,生体親和性を有する新規骨止血剤の作製条件を調べるとともに,この複合材料からの薬剤徐放特性を検討した。
  • 香川 豊, 後藤 健, Guo S.Q.
    セッションID: 1K17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    炭素繊維強化SiCマトリックスハイブリッド材料は軽量移動体構造用ブレーキディスクとしての用途が期待されている。このハイブリッド材料を炭素繊維、SiC、炭素からなるプリフォーム体に溶融Siを含浸する方法で作製する場合、未反応のSiとSiCの相が材料中に存在する。クラックがSiCに富む相に発生しているが、複合材料相により止められている。SiC相は材料に力が加わった場合にクラックの発生の要因になる。SiC発生したクラックは炭素繊維とマトリックスの複合材料相で止められる。この機構をうまく働かせるためには、複合材料相とSiC相の最適なバランスに製造することが必要である。しかし、現状では最適なハイブリッド材料組織に関しては論理的な指針が得られていない。本研究では、ハイブリッド材料がブレーキディスクとして必要な損傷許容性を得る手段を検討した。
  • 郭 樹啓, 西村 聡之, 榎本 浩二, 青沼 伸一朗, 香川 豊
    セッションID: 1K18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    炭素繊維強化SiCマトリックス複合材料は、軽量で大きな損傷許容性を持ち、かつ、高耐摩耗性や高熱衝撃特性などの優れた特性を持っている。この特性を利用して、航空機、自動車や電車などの運輸機器のブレーキ用材料としての応用が大きく期待されている。本研究では、融溶Si含浸法で作製した炭素短繊維強化SiCマトリックス複合材料を用い、複合材料の曲げ強度と熱伝導性を測定した。その結果をもとに、SiC添加量およびマトリックス組成の影響を調べることを目的とした。
  • 青柳 祐司, 吉田 克己, 矢野 豊彦, 小谷 政規, 小笠原 俊夫
    セッションID: 1K19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    炭化ケイ素(SiC)は、耐熱性、耐環境性などの優れた特性を有しており、高温構造部材や耐磨耗部材として利用されている。特にSiC繊維強化SiC(SiCf/SiC)複合材料は、高信頼性耐熱材料として核融合炉や航空宇宙分野などへの適用が期待されている。SiCf/SiC複合材料の特性発現には、繊維/マトリックス界面制御が極めて重要である。著者らは新たな界面・微構造制御手法として電気泳動堆積(EPD)法に注目し、EPD法がSiCf/SiC複合材料の界面・微構造制御の手法として有効であることを見いだしている。本研究では、電気伝導性の低い非晶質SiC繊維について、EPD法による界面制御を試み、1方向 SiCf/SiC複合材料の作製プロセスについて検討した。
  • 佐土原 奨, 香川 豊
    セッションID: 1K20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    近年、連続繊維強化セラミックスを航空機用ガスタービン等の高温構造部材に利用する開発が行われている。連続繊維強化セラミックス複合材料では、基本的に損傷を累積する特徴を持っているので使用前あるいは使用中に材料中蓄積される損傷を評価し、材料を安全に利用することが重要である。このためには、損傷が導入された複合材料の損傷が生じている場所や大きさを非破壊検査技術により検出する必要がある。現在までに非破壊検査として種々の検査手法が提案されている。しかし、一つの方法のみで損傷を十分に検出することは難しい現状にあり、異なる性質を持つ検査技術を確立することが急務である。本研究では任意の負荷荷重でパルス光源を照射したときの反射像を高時間分解能サーモグラフィカメラを用いて検出する手法の可能性を検討することを目的とした。
  • 岸本 弘立, 早川 兼, 下田 一哉, 香山 晃
    セッションID: 1K21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    ガス冷却高速炉や核融合炉用構造材料として高温強度が高く低誘導放射化特性を示すSiC/SiC複合材料の利用が期待されている。中性子照射環境下において結晶性SiCはスウェリングを生じるが、非晶質組織のSiCは照射誘起結晶化による体積収縮を生じ、繊維マトリックス界面の剥離を生じて強度特性を低下させるため、原子力用のSiC/SiC複合材料には高結晶性繊維の使用が必須とされてきた。近年開発されたNITE法は非晶質組織SiCの結晶化温度を超える温度で焼成されるため、結晶性の低いSiC繊維でプリフォームを作製し、マトリックスの成型と同時に繊維の結晶化を行うSiC繊維同時結晶化NITE(In-Situ SiC fiber Crystallization NITE ; IC-NITE)プロセスによる複合材料の成型と組織安定性評価を行う。
  • 中里 直史, 岸本 弘立, 下田 一哉, 幸野 豊, 香山 晃
    セッションID: 1K22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    SiC/SiC複合材料は航空宇宙分野や原子力・核融合分野における、次世代高温構造材料としての応用が期待されている。実用化のためには、複雑形状部材作製のためのニアネット成型技術開発が1つの鍵である。NITE法では加圧焼結時の大きな体積収縮(~50 Vol%)を抑制することが課題であったが、プリフォーム段階での緻密化によってプリフォーム組織の改善、成型時の体積収縮の抑制に成功している。本研究では、複雑形状部材成型におけるプリフォーム高密度化処理の効果及び、板状成型体を用いたプリフォーム高密度化処理が及ぼす成型体の微細組織及び強度特性への影響を評価した。
  • 阿南 努, 青沼 伸一朗, 郭 樹啓, 香川 豊
    セッションID: 1K23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在、セラミックスディスクブレーキ開発のため高靭性かつ熱衝撃に強い繊維強化複合材料の開発を行っている。そこで、摩擦摩耗挙動を明らかにするため摩擦試験を行った。試験の結果、摩擦摩耗挙動は含有する金属種により摩擦係数及び、発現する摩耗機構が異なることが明らかとなった
  • 後藤 健, 大谷 章夫, 香川 豊, 青沼 伸一朗
    セッションID: 1K24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    車両の軽量化や高速度化、CO2排出量の削減を目的として、鉄道車両に使用されている鉄系ブレーキディスクを、軽量なセラミックス材料へ転換する検討がなされている。ブレーキディスク材料に求められる特性として、弾性率、強度、耐熱性、耐酸化性が挙げられる。この条件を満たす材料として、セラミックス複合材料の一種である炭素繊維強化炭化珪素(C/SiC)ハイブリッド材料がその候補に挙げられている。C/SiCハイブリッド材料は、炭素繊維の含有量、繊維配向等を変更することにより、材料特性を変化させることができ、加えて同一部材内で異なる材料特性を有するC/SiCのハイブリッド化が可能である材料である。このC/SiCをブレーキディスクに適用する場合、発生する熱および熱応力に関して予め把握し、ディスクの最適設計を行う必要がある。そこで本研究では、有限要素法解析を用いた熱-応力連成解析を行い、ブレーキディスクに発生する温度分布および熱応力を明らかとするとともに、熱応力を低減するための材料設計指針およびディスク形状の提案を行い、安全性の高いブレーキディスク設計指針の確立を目的とした。得られたハイブリッド材料のハイブリッドか指針に基づいて実施された材料開発により実用足る安全性の高い新幹線用ブレーキディスク設計が可能であることが明らかとなった。
  • 北澤 留弥, 香川 豊
    セッションID: 1K26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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     EB-PVDによるY 2O3-ZrO2 TBCシステムの歪制御逆位相TMF試験では、最小の圧縮歪を加えている際の試験片に発生する応力が圧縮から引張に転じる挙動が確認された。この現象を力学的に解析する。  TBCシステムは、TBC層がY2O3-ZrO2、ボンドコートはCoNiCrAlY、基材はIN-738LCである。圧縮歪量は最低0.000%、最高0.045%とした。TBC層最高温度1150℃で、最大圧縮歪、最高温度での保持時間は10minである。試験は1300サイクルで停止した。  本研究では全歪量を弾性歪とクリープ歪の和と定義した。発生したクリープ変形により、サイクル内の同じ時間でも負荷応力がサイクルを追うごとに変化する。このような仮定のもとで、負荷応力及び歪の変化を解析的に求めた。解析結果を利用してTBCシステムの変形予測方法についても検討した。
  • 加藤 貴大, 赤津 隆, 篠田 豊, 若井 史博
    セッションID: 1K27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Ni基単結晶超合金製のタービン翼は、タービン入り口温度上昇のために通常ZrO2コーティングが施されている。このZrO2コーティングは電子ビーム物理蒸着法や溶射法によって作製されているが、コストが高い、大型・複雑形状部材に適用困難であるといった問題点がある。本研究では、上記の問題点を克服できるプラズマ電解酸化法に着目し、この方法でNi基単結晶超合金上にZrO2コーティングを施すことを目的とした。その結果、15分間の処理で約50μmのZrO2コーティングに成功した。そのコーティングは多孔構造を有していることから、優れた遮熱性能が期待できる。コーティングの密着強度は26.8±6.6MPaであり、実用レベルであることがわかった。
  • 吉本 光宇, 森園 靖浩, 連川 貞弘, 馬場 知幸
    セッションID: 1K28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では、純アルミニウム基板上にシュウ酸、酸化助剤(熊防メタル開発品)及び硫酸マグネシウムからなる電解浴を使用して、超硬質陽極酸化を試みた。実験では、浴電圧の安定化に着目し、Al基板上にVickers硬さが600以上に達する超硬質膜をつくることに成功した。本講演では、アルミニウムの陽極酸化膜の微細構造と機械的特性の調査によって、超硬質化に適切な電解条件を明らかにしたので報告する。
  • 内丸 知紀, 福岡 聖一, 山崎 和紀
    セッションID: 1K29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    多結晶3C-SiC膜の応力評価方法についてラマン分光法を用いて検討を行った。4点曲げ試験機を使って多結晶SiC膜から切り出した試験片に応力を負荷し、3C-SiCのTOフォノンのラマンシフトを測定した。結晶性に密接に関係するラマンピークの半値幅が5cm-1よりも小さいときは、応力とピークシフトの関係は一次の相関がみられ、その相関係数は高いものとなった。一方、ピーク半値幅が5cm-1以上では応力とピークシフトの相関係数は低下した。この原因は、積層欠陥に関係するピークの対称性の低下によるものと考えられた。
  • 赤津 隆, 田畠 良英, 篠田 豊, 若井 史博
    セッションID: 1K30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    有限要素法でシミュレーションしたインデンテーション挙動を数値解析することにより、ナノインデンテーション挙動に及ぼす残留応力の影響を調査した。その結果、圧縮残留応力下ではインデンテーション挙動は高荷重側に、引張残留応力下では低荷重側にシフトすることが分かった。この変化は見掛けの降伏応力が変化することで生じる。見掛けの降伏応力は多軸応力下におけるミーゼス応力に対応する。つまり、残留応力がインデンテーション挙動に及ぼす影響は、多軸応力状態下での降伏挙動で説明できることが分かった。
  • 宮崎 広行, 吉澤 友一, 大司 達樹
    セッションID: 1K31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    転動部材用窒化ケイ素を対象としたIF法を国際規格化するために、国際ラウンドロビン試験を実施して、充分な再現性を有することを証明した。JIS R 1607規格とは異なり、IF法による測定値を破壊靭性KICではなく破壊抵抗KIFRと定義し、破壊抵抗の算出式に新原の式を採用した国際規格素案をISO/TC206委員会に提出した。セラミックス製品の国際競争力を維持するためには、産業界の理解と協力のもとに、他の構造用セラミックスへも適用可能であり、国際的に認められるIF法の国際標準化に向けた活動を始める必要があるように思われる。
  • 西原 教真, 仙田 貴昭, 本多 沢雄, 江田 智一, 渡辺 裕和, 宮嶋 圭太, 橋本 忍, 岩本 雄二
    セッションID: 1K32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では,ゼオライト分離膜用の多孔質アルミナ支持基材を研究対象とし,その耐熱衝撃性についての評価を行った.平均気孔径<700 nm,気孔率20~50%をもつ多孔質アルミナを用いて,赤外線放射加熱(IRH)法により熱衝撃強度の測定をした.また,熱衝撃強度に関わる機械的特性と熱的特性のパラメータとそれらの温度依存性をそれぞれ測定し,各パラメータから算出された熱衝撃強度と赤外線放射加熱法によって実際に測定された熱衝撃強度の値を比較した結果,よく一致した.このことから熱衝撃強度は機械的特性と熱的特性で評価が可能であることがわかった.
  • 吉岡 宏樹, 寺西 貴志, 林 秀考, 岸本 昭
    セッションID: 1K33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ジルコニアは耐熱性・耐食性・高強度等の多機能材料であり、工業的に多く利用されている。超塑性とは、融点よりもかなり低い温度で力を加えると大きな引張超塑性伸びを示す現象で、金属・セラミックスで確認されており、セラミックスではジルコニアで初めて確認された。当研究室では、かねてより超塑性発泡を用いた閉気孔をもつイットリア安定化ジルコニア(YSZ)発泡体の研究を行っている。発泡の駆動力は発泡剤からのガス発生による内部圧力である。本研究では、まず超塑性発泡法によりYSZ発泡体を作製し、変形量と保持時間から歪み速度を求めた。次に電気炉焼結したYSZ試料を高温で引張試験し、クリープ特性を調査した。これらの歪み速度から任意の焼成条件における超塑性発泡体の内部圧力を見積もった。
  • 佐藤 由隆, 塩田 忠, 安田 公一
    セッションID: 1K34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    セラミックスの破壊に伴うフォトンエミッション(PE)の発生メカニズムは未だに不明な点が多いが、発光源の1つとして色中心が考えられている。それに加えて、雰囲気ガスがPEに影響を及ぼすことも指摘されており、実際、著者らは雰囲気ガスの放電発光が、PE発光源の1つであることを報告した(1)。しかしながら、雰囲気ガスがPEに及ぼす他の影響、例えば、破面への吸着や、ガス放電に伴って生じる電子やイオンの破面への衝撃等については、詳細な検討を行っていない。そこで本研究では、既に色中心が知られており、著者らが系統的にPEの研究を行ってきたシリカガラスを試料として、そのPEの雰囲気ガス圧力依存性の計測により、雰囲気ガスがPEに与える影響を明らかにすることを目的とした。
  • 呂 ハイリン, カミ― カゾ―, 塩田 忠, 安田 公一
    セッションID: 1K35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    多孔質セラミックスには、多くの工業的応用がある。この研究では、多孔質アルミナセラミックスを、1350度1時間の焼結によって作製した。発砲剤としてはPMMAを用い、気孔率20、40、60%のサンプルを作製した。作製したサンプルの3点曲げ強度を測定し、光学顕微鏡とSEMを用いて破面観察を行った。
  • Rolas Timbul Doloksaribu, Yutaka Kagawa
    セッションID: 1K36
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Ultra-thin Al2O3 layer, thickness of 10 to 100nm, has been coated on ductile thin substrates e.g. Cu, by atomic layer deposition (ALD) process using tri-methyl aluminum (TMA) and H2O2 as precursor couples. The coated materials were tensile-tested in ambient air at room temperature under various loading rates. Deformability of the coated layer was evaluated from initial cracking strain/stress of the layer during tensile test. After loading up to selected stress, fracture behavior of the layer was observed by optical microscope and SEM. Discussions will be made on the effect of grain-order deformation of Cu substrate on Al2O3 film crack evolution behavior.
  • 日野 正孝, 浅本 麻紀子, 山口 修平, 八尋 秀典
    セッションID: 1L17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    有機シアノ錯体Sm[Fe(CN)6]4H2Oを前駆体としてぺロブスカイト型酸化物触媒SmFeO3を調製した.得られたぺロブスカイト型酸化物の形状は前駆体であるシアノ錯体の形状に依存することがわかった.また,シアノ錯体の形状は攪拌時間や水溶液濃度などの合成条件で制御でき,高表面積を有するぺロブスカイト型酸化物を調製できた.
  • 内山  修平, 磯部 敏宏, 松下 祥子, 中島 章, 中島 清隆, 原 亨和
    セッションID: 1L18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    連続したナノオーダーの細孔を持つ有機モノリス粒子に、種々の金属アルコキシドや無機塩の溶液を所定の条件で含浸、固液分離後、焼成することにより、各種金属酸化物(TiO2, ZrO2, SiO2, BaTiO3, SrTiO3)の多孔質球状粒子を作製した。これらはいずれも10~20 nmのメソ孔領域に細孔が存在し、その分布はシャープであった。この手法で作製したZrO2に、合成過程でTEOS加えて焼成時の結晶化を抑制し、その後硫酸処理により、固体酸性が大幅に増加することが明らかになった。ピリジン吸着法による固体酸種の評価から、硫酸処理濃度を変えることでブレンステッド酸量とルイス酸量の比が変化することが明らかになった。これらの結果とXPSによる表面組成分析から、存在する酸点の構造について考察し、固体酸触媒としての活性を評価した。
  • 朱 新, アルマムン シャリフ, 中島 麗子, 石垣 隆正
    セッションID: 1L19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、TiO2焼結体をターゲットとして用い、水中レーザーアブレーション法により、球状TiO2ナノ粒子の合成を行い、レーザーや溶液特性、照射時間等の合成条件の影響を調べた。平均粒径が約12nm以下の真球状酸化チタンナノ粒子を作製できた。レーザー波長に関わらず、得たナノ粒子がルチル型だと分かった。粒子サイズはレーザーエネルギーと液面高さに依存することを示した。溶液pHはナノ粒子の粒径に影響を与えないが、分散安定性に非常な影響を与えることが分かった。真球状ナノ粒子の生成機構を提案した。
  • 成澤 雅紀, 佐藤 弥生
    セッションID: 1L20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    溶融紡糸された低炭素シリコーン樹脂前駆体をアルゴン気流中、TiCl4蒸気にさらすことにより、繊維内部にTiを担持し、焼成後にSiO2-TiO2繊維を得て、その組成、特性を評価した。気流中の保持時間、温度によって、Ti量を制御することができたが、乾燥状態で繊維に含まれるチタンは塩化物の形のまま、溶媒和によって取り込まれている部分が多く、特に繊維内部ではルチル型となりやすい傾向がわかった。
  • 佐藤 大祐, 八島 正知, 脇田 崇弘, 中野 裕美
    セッションID: 1L21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    共沈法で作製したセリア-ジルコニアナノ粒子の結晶構造を研究した。共沈法で作製したセリア-ジルコニアナノ粒子の中性子粉末回折データのリートベルト解析により、セリア-ジルコニアナノ粒子はセリアリッチ相とジルコニアリッチ相の二相からなることがわかった。これはTEM-EDSとラマン散乱の結果と合致する。サンプル合成時、ZrとCeの混合水溶液をアンモニア水溶液に投入する。このとき溶解度積の違いが原因で、セリアリッチ相とジルコニアリッチ相の二相に分かれたと考えられる。600℃から1200℃まで仮焼温度が増加しても、各相のCeの占有率は殆ど変化しなかった。Ceの占有率に対してプロットした精密化した格子定数は組成が均一な相の格子定数と一致した。
  • 西本 俊介, 小橋 壮亮, 亀島 欣一, 三宅 通博
    セッションID: 1L22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    CuFe2O4可視光応答型光触媒を用いた促進酸化水処理が検討された。
  • 倉地 宏和, 加賀 元了, 浅香 透, 岳 兵, 葉 金花, 福田 功一郎
    セッションID: 1L23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    The crystal structure of Li2LaTa2O6N was determined from laboratory X-ray powder diffraction data (CuKα1) using the Rietveld method. The title compound is tetragonal with space group I4/mmm, Z = 2, unit-cell dimensions a = 0.395049(4) nm, c = 1.85097(3) nm and V = 0.288869(6) nm3. The initial structural model was successfully derived by the direct methods and further refined by the Rietveld method, with the anisotropic atomic displacement parameters being assigned for all atoms. The final reliability indices were Rwp = 5.73%, S = 1.46, Rp = 4.33%, RB = 1.13% and RF = 0.53%. Li2LaTa2O6N has a layered perovskite structure similar to that of Li2LaTa2O7.
  • 村井 啓一郎, 遠藤 和希, 中川 泰介, 山畑 明子, 森賀 俊広
    セッションID: 1L24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、チオ尿素を用いてゾルゲル法にて可視光応答型TiO2の合成を行った。さらにチオ尿素がどのようにドープおよび可視光応答に寄与しているのかを調査することを目的とした。チオ尿素を用いて合成を行った試料で、XPS測定を行った。その結果、バルク内部には硫黄のピークは確認できなかった。しかしながら試料表面に硫酸または硫酸イオンによるピークが見られた。また、バルクにおいて窒素アニオンドープのピークが見られた。試料表面に吸着した硫酸はアナターゼ結晶を安定化させることが知られている。このことから、チオ尿素由来の硫黄分はバルクにドープされることなく、分解により生じた硫酸がバルク中にドープされた窒素分の存在状態に影響を与えていると考えられる。
  • 勝又 健一, 松下 伸広, 岡田 清
    セッションID: 1L25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    フラーレン(C60)はグラファイトとダイヤモンドに次ぐ第三の炭素同素体であり、十二個の五員環と二十個の六員環から構成される。1.9 eV程度のHOMO-LUMOギャップを有しており、有機材料としては唯一使用できるn型有機半導体分子であるため、有機薄膜太陽電池のpn接合材料として使用されている。一方で、三重に縮重したLUMO軌道からC60はさらに六つまでの電子を付加できるため、非常に優れた電子受容体として期待される。我々は、フラーレンを電子受容体として用いることにより電荷分離効率を向上させることができないかと考え、ルチル型酸化チタン(TiO2)とフラーレンの複合体を合成したところ、可視光下で優れた光触媒活性を発現することを見出した。しかしながら、その発現メカニズムについては不明であった。そこで本研究では、紫外光または可視光下における酸化・還元サイトを調査することで、光励起された電子の動きを間接的に捉え、可視光応答するメカニズムを提案することを目的とした。
  • Kunchaya PRUETHIARENUN, Toshihiro Isobe, Sachiko Matsushita, Akira Nak ...
    セッションID: 1L27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    Hybrid films of brookite (TiO2) and 12 tungsto (VI) phosphoric acid (PW12) were prepared via layer-by-layer (LBL) processes on the quartz substrate with various orders. The obtained films were almost transparent in the visible wavelength range. Pure brookite film showed higher photocatalytic activity than pure PW12 one; the combination of PW12 to brookite increased the photocatalytic activity remarkably. The electron scavenger effect of PW12 against brookite under UV illumination plays an important role in photocatalytic activity improvement. The degree of the increase depends on the stacking order in the films.
  • 新田 敦己, 大内 忠司
    セッションID: 1L28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    B2O3-TiO2-SrO三成分系におけるAnatase型TiO2を含む結晶化ガラス作製の組成検討および光触媒効果の評価について検討した。70B2O3-10TiO2-20SrO(mol%)ガラスを各温度で熱処理後、XRDを用いて析出結晶の同定を行い、熱処理温度と析出結晶との関係を調べた。その結果より、610℃の熱処理において単相のAnatase型TiO2結晶が析出することが分かった。Anatase型TiO2結晶の割合は熱処理温度の上昇と伴に増加する。また、700℃の熱処理温度で僅かにRutile型TiO2結晶の析出が見られた。これらの結果より、SrOはCaOよりAnatase型からRutile型への変態温度を上げる効果があることが分かった。650℃で熱処理した結晶化ガラスを色素分解法により光触媒効果を評価した結果、光触媒効果があることが分かった。
  • 山口 亜希子, 手嶋 勝弥, 李 先炯, 守屋 映祐, 高田 剛, 堂免 一成, 大石 修治
    セッションID: 1L29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    La2Ti2O7は紫外光照射下で光触媒特性を示す物質であり,これを部分窒化したLaTiO2Nは可視光照射下で光触媒特性を示す物質である。これまでにLa2Ti2O7は,固相反応法あるいは錯体重合法などにより合成されている。本研究では,モリブデン酸塩をフラックスとして選択し,用いることで,より高品質なLa2Ti2O7結晶を育成することを目的とした。さらにフラックス育成したLa2Ti2O7結晶を部分窒化してLaTiO2N結晶を作製した。フラックスにモリブデン酸塩を用いることで,自形の発達したLa2Ti2O7結晶を育成できた。部分窒化したLaTiO2N結晶は,元の結晶性や形状を保つことがわかった。
  • 山本 真矢, 竹内 雅人, 松岡 雅也, 安保 正一, 小野寺 宏, 中平 敦
    セッションID: 1L31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    酸化チタンの機能性向上は、その反応領域の拡大によって可能であると考えられ、様々な研究が行われている。電解処理溶液を硝酸とした陽極酸化法を利用することで、作製した酸化チタン粉末にNイオンドーピングし、可視光応答型TiO2の作製を目的とした。硝酸溶液を用いて陽極酸化法を利用することで、試料を粉末で回収でき、様々な形状への応用が可能であると考えられる。本研究では、TiO2中に含まれるNイオンの存在状態、その影響による光応答性の評価に関し報告する。
  • 木下 久美子, 高橋 誠治, 大川 元, 高村 幸宏, 平尾 崇
    セッションID: 1L32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    超撥水性は外壁などの防汚や雨水滴が転がり落ちることによる自己洗浄効果、また、寒冷地における着氷防止、着霜防止などの効果が期待できる機能であり、注目を集めている。我々は、無機系材料をベースとしたコーティング剤で超撥水性を有するコーティング剤の開発を試みた。凹凸因子は濡れの性質を強調し、濡れる表面はより濡れ、はじく表面はよりはじくようになる。我々は微粒子としてそれ自体が元々撥水性を持つ多孔質微粒子を被膜剤に混入することで、被膜塗布の際に生じる表面凹凸による撥水性と多孔質微粒子が元々持つ撥水性の相乗効果を期待して開発を行った。このようにして作製した被膜剤は超撥水性を示した。
  • 奥平 賢治, 磯部 敏宏, 松下 祥子, 中島 章, 加藤 智也, 小暮 俊博
    セッションID: 1L33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    ルチル多結晶体表面の各粒子の表面の摩擦力の変化を、摩擦力顕微鏡(FFM)を用いて評価し、酸化チタンの光誘起親水化に及ぼす微構造の影響について検討した。大気中でルチル表面に紫外線を照射し、約70の粒子について摩擦力変化を調査したところ、照射時間に対して表面の摩擦力がいったん増加した後に減少し、その後再度徐々に増加に転じる傾向が確認された。このような摩擦力の変化とその雰囲気依存性の機構を、光誘起親水化過程と関連づけて考察した結果、光照射初期の親水化には表面吸着有機物の光化学反応による分解が、後半の高度な親水化には大気中の水分子の吸着が寄与していることが示唆された。
  • 猪木 栄作, 西本 俊介, 亀島 欣一, 三宅 通博
    セッションID: 1L34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    工業材料および環境材料として有用なゼオライトは、水熱合成法により一般に粉末状固体として得られるが、添加物を加えずに、簡便な方法で作製できる機械加工が可能なバルクゼオライトが得られれば、さらに利用価は広がると期待される。そこで、水熱法によるワンポットで、添加物の無いマシナブルなバルクゼオライトの作製を試みた。水熱合成により得られたバルク体はXRDによりMFI型ゼオライトであるZSM-5に同定された。また、機械加工による脆性破壊は生じなかった。よって、水熱法によるワンポットで、マシナブルバルクゼオライトの作製に成功したと考えられる。
  • 黒? 雄一, 前田 浩孝, 石田 秀輝
    セッションID: 1L35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
     水熱反応は溶解析出反応であることから,溶媒に塩基性塩を添加することで出発原料の溶解性およびハイドロガーネットに対する過飽和度を制御することが期待できる.本研究では水酸化ナトリウムの存在がハイドロガーネットの生成に与える影響を検討するため,異なる濃度の水酸化ナトリウム水溶液を溶媒としてハイドロガーネットの水熱合成をおこなった.得られたハイドロガーネットは異なるシリコン置換量を有することが明らかとなった.また,水酸化ナトリウムの添加量によりハイドロガーネットのシリコン置換量がコントロールできる可能性が示唆された.
  • フィッシャー クレイグ, 桑原 彰秀, 森分 博紀, 幾原 裕美, 黄 栄, 一杉 太郎, 大木 栄幹, 幾原 雄一
    セッションID: 1M17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    Liイオン電池の性能を向上させるためには、原子レベルで正極材料の特性を解明する必要がある.これまで我々のグループでは、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いてLiCoO2の薄膜試料中に粒界構造の観察を行ってきた.本研究では、STEMで観察されたΣ2ねじり粒界の構造と特性に関する計算機シミュレーションを行った.安定な粒界構造を検討し、粒界付近におけるLiイオン拡散の活性化エネルギーを計算した.粒界付近の電子構造も解析した. 計算で決定された粒界構造とSTEM像による粒界構造は良く一致する.Σ2のような高対称性の粒界付近でもLiイオン拡散に対する活性化エネルギーが増加することがわかった.
  • Shijian Zheng, Rong Huang, Yoshinari Makimura, Yoshio Ukyo, Craig A. J ...
    セッションID: 1M18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    The microstructure of LiNi0.8Co0.15Al0.05O2 positive electrode material before and after the first cycle has been investigated by scanning transmission electron microscopy (STEM) and electron energy loss spectroscopy (EELS). STEM and EELS analysis shows that the thickness of some grain boundary layers increases significantly during the first cycle. Also, from the grain interior to the grain boundary, the structure gradually changes from an ordered layer structure (a-NaFeO2-type) to a partially ordered structure and then to a disordered rock-salt structure. We posit that these microstructural changes are primarily responsible for the irreversible capacity during the first cycle.
  • 幾原 裕美, 鄭 士建, 黄 栄, フィッシャー クレイク゛, 桑原 彰秀, 森分 博紀, 大木 栄幹
    セッションID: 1M19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、化学溶液法を用いてLiMn2O4正極膜を種々の条件で作製し、その結晶構造と微細構造について明らかにするとともに、基板とのエピタキシー性および結晶性に着目した解析を行った。前駆体溶液の濃度、前駆体膜の焼成温度等の合成条件と結晶性および微構造の関係について詳細に検討した結果、LiMn2O4膜の結晶性およびエピタキシー性は合成温度に大きく依存することが分かった。
  • 稲垣 光, 手嶋 勝弥, 湯葢 邦夫, 穂積 正人, 小浜 恵一, 宍戸 統悦, 大石 修治
    セッションID: 1M20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    資源的に豊富で安価なMnを含むリチウム化合物は,リチウムイオン二次電池の正極材料として現在注目されている。特に,スピネル型構造をもつLiMn2O4は,優れたリチウムイオン伝導性および構造安定性をもつため,次代の正極材料として有望視されている。本研究では,フラックス法により,小型で高品質なスピネル型LiMn2O4結晶を育成した。フラックスには,安価で環境や人体への負荷が小さい塩化物を使用した。XRD分析より,LiMn2O4が単一相で生成したことを確認した。生成した結晶は八面体を基本形状とし,その結晶サイズは,溶質濃度および保持温度に依存した。
  • 木嶋 倫人, 吉永 昌史, 若原 園子, 秋本 順二
    セッションID: 1M21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    酸化鉄等の遷移金属酸化物もナノ粒子化することにより高容量のリチウム電池用活物質として機能することが知られている。マイクロ波加熱法は、従来の加熱法に比べ急速かつ均一な加熱が可能であることから、粒径分布が極めて小さいナノ粒子を合成可能な優れた手法である。液相マイクロ波プロセスにより、酸化鉄の粒子サイズを約50nmから500nmまで連続的に制御することに成功した。充放電特性の粒子サイズ依存性を評価し、異なる充放電深度における電極のSTEM-EDX観察、メスバウワー分光測定等から、充放電前後における酸化鉄の形態変化と価数変化を明らかにした。
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