品質
Online ISSN : 2432-1044
Print ISSN : 0386-8230
33 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
特集
研究会活動報告
投稿論文編
報文
  • 石井 成, 棟近 雅彦
    原稿種別: 報文
    2003 年 33 巻 1 号 p. 118-127
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
     臨床化学検査における測定値には無視できない誤差が付随するため,測定の精度管理が重要な課題となっている.日本医師会,日本臨床衛生検査技師会では,毎年臨床化学検査を実施しているすべての施設に呼びかけ,それらの施設を対象に外部精度管理調査を行っている.
     この調査では,全参加施設に"同一の"試料を配付する.しかし,その含有成分には不安定なものが多く,酸化,加水分解,あるいは自己分解などによる濃度の低下や酵素の失活,代謝変化などによって含有成分濃度が変化することが確認されている.変質した試料を受け取った施設はその測定能力を不当に評価されてしまうため,調査の主催者は何らかの方法で試料の変質を検出し,再配付などの処置を講ずる必要がある.
     本報では,外部精度管理調査における各施設の測定値と変質による試料の劣化をモデル化する.そして,外部精度管理調査で得られた測定値から変質した試料を統計的に検出する方法を提出する.
     本報で提案する方法により,外部精度管理調査において変質の起こった試料を特定し,より適切な精度管理を行うことができる.
技術ノート
  • 宮川 雅巳, 黒木 学, 小林 史明
    原稿種別: 技術ノート
    2003 年 33 巻 1 号 p. 128-133
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
     本論文では,回帰モデルにおける偏回帰係数に関する一つの併合可能条件を与え,この条件が回帰モデルを用いて処理変数の因果的効果を推定する際の共変量選択基準として役立つことを示す.
     フルモデルy=Xβx・wu+Wβw・xu+Uβu・xw+εとUが欠落した縮約モデルy=Xβx・w+Wβw・x*を想定する.同一のデータセットに対してXの偏回帰係数の最小2乗推定量がβx・wux・wとなるとき,説明変数UはXの偏回帰係数の推定に関して併合可能であるという.
     本論文が与える併合可能条件はX'U-X'W(W'W)-1W'U=0またはβu・xw=0である.この条件は,Xがその因果的効果に興味のある処理変数で,WとUが共変量であるとき,Xの偏回帰係数推定のための共変量選択基準として有用である.さらに,無向グラフィカルモデルの理論を利用してこの基準を満たす共変量を選択する算法を与える.
feedback
Top