品質
Online ISSN : 2432-1044
Print ISSN : 0386-8230
28 巻, 2 号
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巻頭言
特集
研究会活動報告
投稿論文編
報文
  • 椿 美智子, 西脇 成幸
    原稿種別: 報文
    1998 年28 巻2 号 p. 63-72
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2019/01/22
    ジャーナル 認証あり
    製造工程における多変数の原因系と多変数の結果系との関連, あるいは製品の多変数の物理特性と多変数の感覚特性との関連を解析するために正準相関分析をよく行う.正準相関分析では, 結果系と原因系の変数群それぞれの線形の総合特性(正準変量)をその相関が各段階で最大となるように求めるが, 結果系に対しては線形の総合特性ではなく, 総合的な多変量のパターンに興味があり, そのパターンが原因系(共変量)xのどの要因でよく説明できるかをしりたい場合も多いと考えられる.本論文は, この目的のための解析方法を提案しており, 本方法によれば相関係数は小さくても, xとyとの間にはある種のクラスター対応関係のあるデータ構造, すなわち, yの多変量空間でデータがいくつかのクラスターに分けられるように分布しており, その各クラスターが対応するxの多変量空間においてもクラスターをなしているというデータ構造が解析でき, 従来の多変量解析手法では把握できなかった構造の解析が可能であることを示している.
  • 阿部 昭博, 吉澤 正
    原稿種別: 報文
    1998 年28 巻2 号 p. 73-85
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2019/01/22
    ジャーナル 認証あり
    ソフトウェア開発の標準的な開発モデルであるウォータフォールモデルは多くの問題点を抱えているが, それらを解決するソフトウェア開発技術の一つとして, プロトタイピングが定着しつつある.プロトタイピングは, その実施目的に着目した場合, 探査型, 実験型, 進化型の3種類に分類できるが, 探査型・実験型プロトタイピングについての方法論研究はほとんどなされていなかった.そのため実際のソフトウェア開発への適用においては, プロトタイピング本来の効果を引き出せずに失敗する場合も少なくない.本論文では, 探査型・実験型を対象として品質機能展開を用いたプロトタイピング手法を提案する.手法の検討と評価を進めるにあたっては, 探査型・実験型プロトタイピングの適用が有効であるソフトウェア領域の一つとしてスケジューリングシステムを取り上げる.本手法を実際の2つのプロトタイピングに適用することにより, ユーザー要求とプロトタイプ機能のミスマッチ, プロトタイピング作業の長期化といった従来のプロトタイピングの問題点の改善に有効であることを明らかにした.さらに, 幾つかの考察を通して本手法をスケジューリングシステム以外へ幅広く適用していく際の指針についても示した.
応用研究論文
  • 内田 智三, 名取 剛, 中條 武志
    原稿種別: 応用研究論文
    1998 年28 巻2 号 p. 86-96
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2019/01/22
    ジャーナル 認証あり
    製品の機能が多様化・複雑化するにつれて使用者の誤用を如何に防止するかが重要な課題となりつつある.本論文では, ユーザー・インターフェイスの中でも瞬間的にメッセージを伝える効果が高い絵や記号による表示に焦点を絞り, イメージのばらつきを使って表示の誤解のしやすさを定量的に評価する方法の可能性について検討する.SN比を用いて誤解しやすさを評価する一つの手順を示した上で, ソフトウェア製品のアイコンの評価および製造物責任法との関連で問題となっている警告表示の評価を行い, その有効性・問題点について考察する.結果としてイメージのばらつきをSN比を用いて評価することは, 製品のユーザー・インターフェイスの誤解のしやすさを定量的に論じる上で一つの有効な研究の方向であることが示唆された.
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