品質
Online ISSN : 2432-1044
Print ISSN : 0386-8230
33 巻, 3 号
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特集
研究会活動報告
投稿論文編
報文
  • Yasushi NAGATA, Masami MIYAKAWA, Toshiyuki YOKOZAWA
    原稿種別: 報文
    2003 年 33 巻 3 号 p. 83-92
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
    複数の計測器の性能を比較する場合,入力と出力の間に単回帰モデルを想定して,回帰係数と誤差分散のそれぞれを比較することが考えられる。しかし,計測器の物理的なメカニズムが異なり,出力の単位が異なる場合は,このような比較には意味がない。そこで,出力の単位に依存せず,回帰係数と誤差分散の両方のかねあいをはかる尺度としてSN比が提案されている。このSN比の違いの検定は,統計学的には誤差に正規性を仮定すると,非心t分布の非心パラメータの検定問題に帰着する。厳密な検定は大変複雑になるので,本稿では非心t分布に分散安定化変換を適用することにより簡便な検定方式を導く。同じ問題に対してMiwaが別の検定方式を導いている。本稿では,2つ以上の計測器のSN比の一様性の検定に対して,両者の検定方式の性能を比較し,提案する検定方式は公称の値に近くて公称の値以下となる有意水準を持つこと,そして妥当な検出力を持つことを示す。
  • 池庄司 雅臣, 圓川 隆夫, 鈴木 定省
    原稿種別: 報文
    2003 年 33 巻 3 号 p. 93-103
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
    顧客満足度向上の重要性が叫ばれる中,既往研究における顧客満足とシェアとの間の関係分析では,それらが同一の時点でとらえられており,現在の顧客満足が将来のシェアにどのように影響するかというような時間的遅れを考慮したダイナミックな因果関係に関しては依然明確な結論が得られていない。そこで,本研究では冷蔵庫,テレビ,洗濯機の3つの成熟製品それぞれに関する品質向上期待度の過去25年にわたる調査データを通じて,顧客満足度の時系列的な変化パターンについて分析するとともに,マーケット・シェアとのダイナミックな因果関係の分析を行うことを目的とし,顧客満足度が事前期待と知覚品質との差で構成されるという枠組みの下,その逆方向の尺度である品質向上期待度データに基づき,①顧客満足度は,製品進化による知覚品質の向上と事前期待のバランスで決まるが,事前期待の景気観による変化が大きく変化することから,結果的に顧客満足度自体が景気とマイナスの相関を持つこと。②そして,その影響を考慮することで,顧客満足度とシェアとの相関について,買い替えサイクルのレンジで眺めれば,従来否定されてきたプラスの相関が統計的に有意に認められること。を示す。
調査研究論文
  • 島倉 大輔, 田中 健次
    原稿種別: 調査研究論文
    2003 年 33 巻 3 号 p. 104-112
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
    医療業界では,組織事故と考えられる医療事故が多く発生している。組織事故を防止するために,医療現場では医師や看護士など人間による防護の多重化が行われている。しかし,事故原因を取り除くために実施された防護が,新たな事故を誘発したり,防護作業を行う作業者が多重化に安心して抜きを行う恐れがあり,多重化はかえって事故を招く危険性がある。本研究では,医療現場など人間による防護の多重化の有効性に着目する。人間による防護の多重化は,複数の人間が同質の防護作業を行う同種防護の多重化と,複数の人間が異なる作業を行う異種防護の多重化に分類される。本研究では,同種防護と異種防護の多重化に相当する模擬実験により,人間による防護の多重化の有効性の検証を試みた。結果として、同種防護を多重化する場合,防護の二層への絞込みがもっとも事故防止に有効であること,通常事故防止に有効であると考えられている三層以上の多重化は逆効果であり,むしろミスの発生率が下がる可能性があることが明らかとなった。一方,異種防護を多重化する場合は,防護を多重化するほど,事故防止に有効であることも明らかになった。
クオリティレポート
  • 大石 秀夫
    原稿種別: クオリティレポート
    2003 年 33 巻 3 号 p. 113-119
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり
     当社は自動車の設計,開発を中心とするエンジニアリング会社であり,1999年2月の品質マネジメントシステムISO9001認証を取得,2001年から9001-2000年版に切り替え,2000年2月に2000年版の認証を取得した。
     当社における品質マネジメントシステムの特徴は,
    ① 全社一括,すなわち本社,3支所,6事業部から所在する全国の9サイト(地区)と全従業員約2,200人を含めて活動した
    ② エンジニアリング会社として開発設計,生産技術,サービス技術を含む特徴をある目標を計画し活動している
    ③ 品質ISO9001-1994版の認証取得に向けて構築したペーパーレス文書管理システムをフル活用している
    ④ 2000年版の特徴であるプロセル・コントロール思想を先取りして,独自のPMSシステムを構築し,1998年から運用している
    ⑤ 2000年版で強化されたCSについて,社内外の調査を行い,改善活動の一助とした などある。
     この間において,ISO9001のシステムが当社の品質管理に及ぼした影響と効果について考察を行う。
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