キャビテーション流れは, 大規模な剥離等を伴う非定常な三次元構造を持つことが多い. したがって,キャビテーションを伴う流れの数値解析手法には, 非定常性の強い流れでも精度よく解析できるLES解析を適用するべきと考える. そこで, 基礎的な精度検証の対象として, 二種類の翼型(Clark-Y11.7%, NACA0015)を対象にLESを用いたキャビテーション解析を行い解析結果を実験値と比較することで, 翼型のキャビテーション性能予測の精度検証を行った. 解析手法には, サブグリッドスケールモデルとして Dynamic Smagorinskyモデルを, また, キャビテーションモデルとしては, 湧き出し型の均質媒体モデルを用いた. キャビテーション流れの圧縮性については, 非圧縮の連続の式に低マッハ近似を施し弱圧縮性を導入して解析した. 二つの翼型に対しキャビテーション解析を行った結果, どちらも翼のブレークダウン特性を正確には再現できなかった. そして, その原因は, 現行の手法では翼面上のキャビティの長さを過小評価することとキャビティの非定常性を再現できないことにあることがわかった.[本要旨はPDFには含まれない]
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