生産研究
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75 巻, 4 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
特集 関東大震災100周年と都市の基盤
特集に際して
研究速報
  • NIHAAJ Mohamed, 清田 隆, 片桐 俊彦
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 263-267
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    堆積岩,特に泥岩は,乾燥・湿潤作用を受けると風化が促進(スレーキング)し,深刻な斜面崩壊・地盤沈下の原因となる.本研究では,泥岩礫質土を含む4種類の地盤材料を用い,従来のオエドメータ試験機を改良して,温度変化を伴う乾湿繰り返しが所定の応力条件下における供試体の沈下特性に及ぼす影響を検討した.また,乾燥/湿潤サイクルに伴い変化する土粒子強度の計測も実施した.その結果,最初の湿潤時とその後の乾湿繰り返しにおける沈下挙動と土粒子強度は,それぞれ応力条件と試料の空隙率に支配されることがわかった.

  • 劉 國君, 清田 隆, 志賀正崇 , 謝 沛宸
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 269-273
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    本論文では,加圧土槽を用いた標準貫入試験(SPT)およびせん断波速度Vs測定の実験データを示した.同じ応力条件で密度と土粒子構造が液状化強度に大きな影響を及ぼすことが判明してるため,この二つの要因がSPTのN値とVsにもたらす影響に着目した.相対密度80%の2種類の砂供試体を加圧土槽に構築し,平均有効応力約30 kPaで圧密した.二つの供試体のVsの値は175~190 m/sであり,せん断剛性率G0は16%の差があった.一定の応力条件下でSPTを実施したところ,2つの供試体でほぼ同等のN値が記録された.このため,所定の密度におけるVsG0)値の違いによって示されるように,N値は液状化強度に大きな影響を及ぼす土粒子構造を反映できないことが分かった.

  • 堀 蓮, 清田 隆, 謝 沛宸, 片桐 俊彦, 志賀 正崇, 武政 学, 栗間 淳
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 275-279
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    本稿では従来法の問題を解消した小規模凍結サンプリングにより採取された試料の品質評価について報告する.加圧土槽を用いて原位置拘束圧を考慮し,模型地盤から凍結採取された試料の品質評価をDrの変化およびG0の変化に着目して実施した.密な地盤より採取した凍結試料を成形した中空供試体については,試料採取前の模型地盤のDrG0の変化は2.7%,4.3%と非常に小さかった.よって,小規模凍結サンプリングにより,原位置の密度と土粒子構造を保持した中空供試体を採取できる可能性が高いと考えられる.

  • 大澤 捷瑛, ミレブ ニコライ, 清田 隆, 志賀 正崇, 沼田 淳紀, 栗間 淳
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 281-285
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    本稿では,丸太を地盤に静的圧入し密実化することにより液状化対策と炭素の長期貯蔵を実現する工法の,液状化浅層改良への適用可能性を検討した.本研究では,深さ方向の改良厚比が0.58の同一条件で液状化層厚が異なる3つの改良ケースと,液状化層厚が異なる2つの未改良ケースを,せん断土槽を用いて1G場振動台実験を実施した.地盤内の過剰間隙水圧比,地表に設置した構造物模型の沈下量を測定し,加振後の杭の変状を観察した.その結果,同じ改良厚比でも液状化層厚が大きい方が沈下量や杭の傾きが小さいことを確認した.

  • 藤井 紀之, 清田 隆, 上田 恭平, 栗間 淳
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 287-291
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    累積損傷エネルギーΣΔW/σ’c と載荷段階ごとの内部摩擦角φをピーク内部摩擦角φf で除したφ/φf の関係に着目して,液状化時の大ひずみ領域の挙動を分析した.その結果,ΣΔW/σ’c がピークを示した後にφ/φf が低下する傾向を示し,その傾向は相対密度に依存することが分かった.そこでφ/φf が低下する傾向を定式化し,定式化した関係を搭載した有限変形理論に基づく有効応力解析手法を用いて,1 要素でのシミュレーションを実施した.その結果,改良した有効応力解析手法を用いることで,大ひずみ領域までの挙動をある程度の精度で模擬できた.ただし,供試体をモデル化したシミュレーションでは解析の途中で発散した.安定性の面も含めて改善する予定である.

  • JAYATHILAKE Dhanushka, 清田 隆, 小長井 一男, 志賀 正崇, NIHAAJ Mohamed
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 293-297
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    北海道胆振東部地震では3 週間前から降り続いていた降雨の影響で,厚真町や安平町の軽石地盤(Spfa,En-a など)で3300 を超える地すべりが発生した.本研究では,原位置採取試料を用いて土粒子破砕試験を実施し,破砕強度の低減に及ぼす浸水時間の影響を調べた.その結果,Spfa とEn-a の破砕強度の中央値は,浸水時間が0 時間から504 時間まで増加すると,それぞれ56%,57% 減少した.また,En-a およびSpfa の粒子内飽和度は,浸水時間の対数値と良い相関を示し,En-a 粒子の粒子内飽和度はSpfa 粒子より高いことが示された.

特集 プロダクションテクノロジー研究
特集に際して
研究速報
研究解説
  • 吉岡 勇人
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 4 号 p. 315-319
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    近年,製品の高度化に伴い加工精度に対する要求が厳しくなっている.また微細構造による機能表面を有する三次元曲面の実現など,より複雑な形状の実現が望まれている.本研究ではフライス加工の高度化を図るため,工具主軸をXY およびZ 軸方向へ微動させることで,振れ回り誤差の低減および微細パターン加工を実現する.具体的には,主軸頭に小形加振ユニットを設置し,測定した振れ回り信号をフィードバックすることでXY 平面内の誤差を抑制する構造,および主軸に超磁歪素子を組み込み外部磁場で微小位置決めする構造を紹介する.

  • 木村 文信, 王 鑠涵, 陳 偉彦, 平原 英俊, 桑 静, 梶原 優介
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 4 号 p. 321-328
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    表面に微細構造が形成された金属部品を射出成形樹脂と金型内で直接接合させる成形接合という技術がある.様々な研究グループで微細構造の形成手法の検討や射出成形技術の検討によって接合特性の向上が取り組まれている.接合特性向上の手段として,我々は樹脂材料に添加剤を加えることを検討してきた.流動性向上剤を添加することで樹脂の本来の特性は大きく変えることなく接合特性を向上させることを期待した.材料表面や接合界面の観察・分析を通して,形状や化学状態を確認し,接合強度向上のメカニズムの考察を行った.本稿ではこれらの研究成果・知見の紹介を行う.

研究速報
一般
研究解説
  • 今中 政輝, 石田 慶樹, 馬場 博幸, 広橋 亘
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 4 号 p. 333-341
    発行日: 2023/11/01
    公開日: 2023/11/27
    ジャーナル フリー

    電力部門の脱炭素化に向けて太陽光発電や風力発電などを大量に導入するため,新たな調整力の供給手段としての電気自動車や蓄電池などの分散エネルギー資源(DER)の活用が注目されている.DER は今後インターネット等を経由して制御されると考えられるが,その通信過程とDER そのものの複合的挙動を様々な分野の人々が議論できる平易なモデルは少ない.本研究では,そうした複合的挙動の構造を記述し,応答時間や応動時間を通信遅延・処理時間とDER そのものの応動時間から整理する初歩的な参照モデルとしてモデル0 を構築した.本稿では,モデル0 の概要とローカル接続・クラウド接続のDER への適用例について紹介する.

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