本稿では,東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター(ICUS)の20 年間にわたる活動の歴史を振り返っている.その中では,前身の国際災害軽減工学研究センター(INCEDE)からICUS が改組・設立される背景として,当時の生産技術研究所全体の将来構想についても触れている.ICUS は,2001 年4 月の設立から2021 年3 月末までの20 年間の活動によって,国内外の100 人を超える博士学位取得者の輩出や860編を越える査読付き論文の出版など,多くの業績を挙げることができた.2021 年度からは,都市安全や防災に関わる研究部門は「災害・復興知連携研究機構」に,都市基盤系の研究部門は「One Health One World 連携研究機構」への展開を図っている.