生産研究
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75 巻, 1 号
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巻頭言
特集 乱流シミュレーションと流れの設計(TSFD)
特集に際して
研究速報
研究解説
  • 菊本 英紀, 陳 然
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    室内空間の気流特性を考慮し空気清浄機の効果を評価するため,CFD を用いた空気清浄機吹出気流の空気齢および吸込気流の空気余命に関する解析手法を提案した.また本手法を用いて,可搬型の空気清浄機が設置された室内空間を対象とした解析を実施した.その結果,換気と分離して空気清浄機のみの空気齢や空気余命の空間分布を解析できることを示した.本手法により,単なる汚染質濃度の低減効果だけでなく,非定常かつ突発的な汚染質発生などに対して,空気清浄機がいかに迅速に汚染質を除去し,清浄な空気を届けられるかという時間的観点からも評価が可能となる.

特集 次世代モビリティを活用した交通社会の未来
特集に際して
研究解説
  • 大口 敬
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    自動運転は目的ではなく,社会厚生の向上に貢献する必要がある.運転自動化レベルにはレベル0 からレベル5 まで定義されるが,個人所有が前提のオーナーカーと,バス・トラックなどのサービスカーでは,その狙いも適用範囲も大きく異なる.道路と街路には,対象とする地域(市街地外・市街地内)とその重視する機能(通行機能・アクセス機能など)に応じて,様々な機能の階層性がある.本稿では,近い未来に実現可能で,地域の課題の改善に資する4 タイプの車両・サービスを提示し,適用先の道路・街路の階層に応じた実現推進策について論じている.

  • 横溝 英明, 霜野 慧亮, 郭 鐘聲, 須田 義大
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 61-65
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    MaaS, オンデマンド交通, 自動運転といった分野で様々な実証実験が行われているが, 未だ「キラーアプリ」(普及を促進する人気サービス)も, 事業化可能な「ビジネスモデル」も登場しておらず, 社会実装への道は明らかでない. 本稿では, WILLER グループが展開している狭域型オンデマンド交通のケーススタディを通じて, 実証実験で終わらず, サービスが継続・商用化するための課題(技術的課題というより, 事業課題)を中心に検討する. その上で, 現在見えている施策の可能性についても論じる.

研究速報
  • 鈴木 彰一, 須田 義大, 大口 敬, 田中 伸治
    原稿種別: 研究速報
    2023 年 75 巻 1 号 p. 67-69
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    自動運転の社会実装に向けた取り組みの一つとして,駐車場における自動バレー駐車サービスの市場化が目指されており,2018 年11 月には実際の駐車場を用いて機能実証実験も実施されている.しかし,現状,我が国においては自動運転技術を活用した自動バレー駐車サービスを,本格的に社会実装している例はみられない.本稿では,我が国における自動バレー駐車に関する取り組み状況について整理を行った上で,社会実装に向けた課題として,事業面からのエコシステム構築,利用価値に基づく収益モデル構築,社会実装シナリオについて論じる.

研究解説
  • 鈴木 彰一, 長谷川 悠, 佐藤 健哉, 三好 博昭, 大口 敬
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    自動運転技術の社会実装においては,技術面や法制度面の課題に加え,受容性向上が課題として指摘されている.本研究では,受容性向上に向けた取組に必要な事項を明らかにするために,自動運転をテーマとする学生コンテスト参加者の自動運転の社会実装に対する期待,受容度,認識課題等をアンケート調査により分析した.その結果,自動運転導入に関する期待が4 ヶ月にわたるコンテスト期間中に上昇していること,学生は技術開発及び経済性・ビジネスモデル確立に対して楽観的であること,企業等は,経済性・ビジネスモデル確立に対してやや楽観的な方向へと評価が変化している可能性があること等を明らかにした.

  • 福島 虹郎, 中野 公彦, 楊 波, 王 正, 梅 旭濤, 高田 哲也, 長澤 弘之
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    これから先人口の高齢化と偏在化が進むと言われている日本において,特に地方部における自動運転技術の実用化が必要とされている.そのために,地方部において自動運転の妨げとなっている踏切を通過するための技術が重要となってくる.しかし,現状踏切通過の自動運転はインフラ側に設備を必要とする技術が殆どであり,コストなどの点から導入はいまだ実用的ではない.本稿では,踏切通過のための最大限自律化した運転支援,自動運転技術の手法を提案し,実車を用いた実験結果を報告する.本結果を踏まえ,自律化しており普及が比較的容易な踏切通過の運転支援,自動運転技術の実現を今後も目指していく.

  • 霜野 慧亮, 中野 公彦, 鈴木 彰一, 梅田 学, 岩崎 克康, 須田 義大
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 83-88
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    自動運転による移動サービスの実用化が期待されており,柏の葉地区でもSAE レベル2 の自動運転(ハンズオフ可能な運転支援)機能を備えた自動運転バスによる実証実験が行われている.実環境で車両が遭遇する交通シナリオは実用化に向けた研究開発の面のみならず,これを活用して自動運転に対する適切な理解を促進する取り組みとしても,興味深いものが含まれている.本研究では,自動運転バスが自動走行をしているときに同乗している運転手が操作に介入した場面を9 か月分収集し,介入の傾向の分析を行い,介入時に記録された映像データの中から運転の難易度が高いと思われる場面を抽出した.分析結果や抽出結果を可視化することで明らかになった点及び,本事例を具体例として,実際の自動運転車両がどのように走行するのかを説明する場合に,データを用いた分析に際して留意すべきと思われる点を述べる.

  • 石井 響弥, 霜野 慧亮, 須田 義大, 清水 修, 藤本 博志, 安藤 孝幸, 椋本 博学, 長尾 智彦
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 89-92
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    路面に設置された機器を用いた自動運転や電気自動車の高度化が期待されている.自動運転車の自己位置推定手法として,路面に設置された磁気マーカを座標基準点として用いる磁気ポジショニングシステムが実用化されつつある.路面にコイルを埋設して電気自動車の走行中非接触給電を可能とする研究開発も行われている.ともに,路面に設置された機器から電磁気を発するものであるが,併用した際や片方のシステムを搭載した車両が路面機器上を通過した場合にどのような影響が生じるかは明らかにされていない.今回,双方への影響を検討するための基礎的な実験を行った.調査の結果,静的な条件においては軽微な影響はみられたものの, 実運用上両者の作動に影響がないことが確認された.

  • 増田 椋太, 小野 晋太郎, 平岡 敏洋, 須田 義大
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 93-98
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    過去およそ4 秒間の歩行者挙動に基づいて,自動運転車に対する歩行者の信頼度を推定する手法を提案した.VR 環境内において自動運転車が単路部無信号の横断歩道に接近する状況で歩行者横断実験を行い,歩行者挙動を観測した.実験参加者は,横断前と横断中常に,車両に対する信頼を三段階評価する.その評価値を推定対象として,実環境においても取得が可能であるカメラ映像から抽出した歩行者の骨格座標と,VR 実行ソフトUnity 内で記録された歩行者の道路横断方向の位置,車両の進行方向の位置,車両速度に基づき,深層学習(LSTM) を用いて信頼度推定を行った結果,正解率61% で推定できることが分かった.

  • 吉野 純司, 平岡 敏洋, 霜野 慧亮, 梅田 学, 須田 義大
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 99-104
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    これまで特定の運行設計領域 (ODD) を前提とし,ドライバ異常やシステム異常などのリスク最小化制御 (MRM) の各発動トリガに対して,路肩停止や走行車線内停止など,状況に応じて適切な停止手法を検討してきた.しかし,ODD は走行環境などの観点から様々に設定可能であり,ODD 内となる事象も変化する.そのため,ODD で許可される運行と双対関係にあるMRM 発動時に,採るべき停止手法が異なることも想定される.本稿ではODD の違いによって,MRM による適切な停止手法がどのように変化するかを検討する.

  • 久保 登, 岡部 明子, 小竹 元基, 須田 義大
    原稿種別: 研究解説
    2023 年 75 巻 1 号 p. 105-109
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/23
    ジャーナル フリー

    超高齢化が進んだわが国では,地方における高齢化・過疎化など,地域社会の不活性化とそれに伴う衰退が目立ってきている.この状況の一因として,地域住民の短距離個人移動の不便さが大きくなっていることが挙げられる.本発表では,そのような日常用務に適した短距離移動の手段として,電気で動く「原付ミニカー」を取り上げ,実際に数両を投入した地域での状況や効果を紹介する.併せて,このような短距離移動手段となる車両が,ITS 時代の道路交通に円滑に実装できるような理論的要件も簡単にまとめる.

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