大気汚染物質は化学反応性を有し, 光化学オキシダントの主要物質であるOzoneの生成過程にも, 窒素酸化物を始め炭化水素など複数種の物質が関与している.しかし, 街区規模の大気汚染解析においてこれらの反応を考慮した研究事例は少なく, 大気汚染物質は専ら非反応性物質として, その移流・拡散性状のみが検討対象となってきた.そこで, 本研究では伊藤による実験を参照し, LESに二分子化学反応と壁面沈着現象のモデルを組み込み, 建物スケールにおける汚染物質の濃度分布に対して, 乱流中の化学反応が与える影響を検討した結果を報告する.
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