生産研究
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65 巻, 1 号
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特集 乱流シミュレーションと流れの設計(TSFD)
巻頭言
特集に際して
研究速報
研究解説
  • 中尾 圭佑, 加藤 信介
    2013 年 65 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    障害物に囲まれた空間からのトレーサーガス点源発生を条件としたLES解析を行い, 既往の実験結果と比較した. 濃度場は計算結果の過大評価が見られたが, 歪み度や変動強度などの規格化された値については良好な結果の 一致が確認された. 確率密度分布も, 規格化された値に関する形状は実験との類似性が見られた. 濃度の分散の収支を確認すると, 対象空間内の流入気流に対して上流側の壁面近傍にて分散が生産され, その影響で平均濃度のピーク領域とはずれた領域で分散のピークが確認された. 分散の近似解析に用いられる時間スケール比を障害物空間内において求め, その分布の特性について考察した.
研究速報
  • 菊本 英紀, 大岡 龍三
    2013 年 65 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    都市キャニオンにおいて大気汚染物質の化学反応性がその輸送過程に影響を及ぼす.本研究では,Large-eddy simulationにsubgrid-scale (SGS)での濃度分散の輸送方程式を連成し,汚染物質の二次反応速度の評価にSGS濃度分散が与える影響を調べた.まず不活性な物質の都市キャニオン内での拡散解析を異なる格子解像度において実施し,それらの比較からSGS濃度分散モデルの妥当性を確認した.その後,反応性物質の拡散解析に同モデルを適用した.キャニオン高さに形成される混合層内でSGS濃度共分散は比較的大きくなったが,汚染物質の平均濃度へは大きな影響を与えるものではなかった.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 林 鍾衍, 大岡 龍三
    2013 年 65 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    都市化は効率的な資源使用や生活の便宜に寄与したものの,急速な都市の高密化を促進させ,様々な環境問題をもたらした.特に,建物の高層化及び密集化に伴い,市街地の風環境は悪化しつつある.そこで,都市スケールの通風を考慮した設計が注目されており,都市計画・建設分野において主な取り組みの対象の1つになっている.設計段階で有用な街区風環境の尺度のパラメタリゼーションにおいては各変数の独立性及び風環境の反映度,両方考慮しないといけないと考えられる.そこで,本報では,まず,GIS(Geographic Information System)データを用いて実市街地の街区形状パラメータの空間分布を取得する.次に,各パラメータの空間分布に対する相関分析を行い,パラメータの独立性について検討する.また同時に,同じ領域に対するCFD解析を行い,どの街区幾何形状パラメータが街区風環境との適合度が大きいのかに関する参考データを収集することを目的とする.[本要旨はPDFには含まれない]
  • Olivier PACOT, François AVELLAN, Chisachi KATO
    2013 年 65 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    エネルギーの有効利用の観点から,夜間の余った電力で水車を逆に回転させてポンプとして使い,水を上方のダムに上げて位置エネルギーとして貯蔵し,昼間の電力のピーク時に水を下方のダムに落として水車として発電するポンプ水車がある.このポンプ水車をポンプの部分負荷状態で運転すると,旋回失速と呼ばれる特異現象が現れる.この状態の流れを大規模計算で予測することを目標としている.本研究では,ポンプ水車内を対象に,FrontFlow/blueを用いて大規模非定常計算を行うことで,この旋回失速状態を再現した.
  • 鈴木 貴之, 加藤 千幸
    2013 年 65 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    過去約20年にわたり媒体の連続的な密度変化によりキャビテーションを表現する均質媒体モデルというキャビテーションモデルが研究されているが, このモデルには単独翼のキャビテーション性能を定量的に予測できないという問題がある. 本研究の目的はキャビテーション発生時の翼の揚力を予測できない均質媒体モデルの本質的な原因を明らかにすることにある. 本研究では, 均質媒体の膨張収縮により運動エネルギーの損失が発生することを理論的に示し, 実際の均質媒体を用いた解析において媒体の膨張収縮による損失が発生することを示した.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 益田 直樹, 加藤 千幸, 鈴木 康方
    2013 年 65 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    空力騒音に関する研究では流れ場と音場を別々に解析する分離解法が広く用いられており,特に低マッハ数で動くような工業製品は流れから発生する音の変動が流れの変動に比べとても小さいため工学的にも分離解法が一般的となっている.層流剥離するブラフボディまわりの流れから発生する空力騒音を高精度に予測するためには,後流の大きな渦構造とはく離から遷移に至る過程を高精度に捉えることが重要であると考えられる.しかしながら,これらの影響について調べた研究はほとんど無い.よって今回はく離から遷移の過程について,角柱を対象に音源となる流体解析の精度の影響について調査した.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 半場 藤弘
    2013 年 65 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    レイノルズ平均乱流モデルとしてk-εモデルなどの2方程式型モデルがよく用いられるが, 散逸率εなどの2番目の輸送方程式は必ずしも物理的な妥当性が明らかでない. 本研究では乱流の理解と乱流モデルの改良のために渦粘性率の輸送方程式を考察する. まずレイノルズ応力の非局所渦粘性表現を考え, 新しい長さスケールを導入し局所的な渦粘性率の式を求める. そして長さスケールの式を元に渦粘性率の輸送方程式を導出する. チャネル乱流の直接数値計算を行い, 輸送方程式の各項を評価しその物理的意味を考察する.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 横井 喜充
    2013 年 65 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    乱流が磁気リコネクションにどのような影響を与えるかが調べられる.平均磁場と平均速度場への乱流の効果は乱流起電力とReynolds応力(と乱流Maxwell応力)に表現される.乱流の効果を考慮に入れた平均場の方程式を扱うことで,乱流場にクロス・ヘリシティ(ゆらぎの速度-磁場相関)が存在すると平均磁場と平均の流れが誘起されることが解析的に示される.誘起された平均磁場と速度は速いリコネクションに貢献すると期待される.誘導速度と誘導磁場の表式を用いてリコネクション率を評価することで,リコネクション率がどうクロス・ヘリシティに依存するかを表すことができる.乱流エネルギーによる輸送の促進と乱流クロス・ヘリシティなどによる輸送の抑制とが動的に均衡する.この動的平衡・非平衡が,非常に強い乱流状態にもかかわらずリコネクションの領域が狭い領域に局限され速いリコネクションが達成される鍵となっていることが示唆される.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 有木 健人, 半場 藤弘
    2013 年 65 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    Hall-MHD乱流における乱流起電力を,非一様乱流に対する統計乱流理論であるTwo-scale direct-interaction approximation (TSDIA) に基づいて解析した.また解析の過程において,従来研究で用いられていた磁場・電場間相互作用の伝播関数の取扱いが繰り込み理論の立場から修正された.得られた乱流起電力にはHall効果に基づく新しい項が現れ,小スケールでの電場・磁場間の相関が平均磁場に平行な起電力を生成することが示唆された.[本要旨はPDFには含まれない]
  • イスラム ムハンマド ナズルル, 北澤 大輔
    2013 年 65 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    富栄養湖では,有害藻類が毒素を生産する.本研究では,毒素生産モデルを構築し,北浦の生態系に適用した.その結果,北浦の北部では有害藻類の濃度が高く,かつ藻類の生長が無機態リン濃度によって制限されるため,高い毒素濃度を示した.毒素濃度の水平分布を再現するためには,藻類の生長が無機態リン濃度に制限されるか,無機態窒素濃度に制限されるかによって,毒素生産速度が異なることを考慮する必要がある.[本要旨はPDFには含まれない]
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