Cold temperatures motivate people to develop efficient heating systems for their homes. An early method was a cast iron fireplace, but later in Germany the tiled stove (Kachelofen) enjoyed widespread use from the home of nobility to that of common folk.

A new simulation tool for vertical spiral ground heat exchanger (VSGHEX) in energy pile is developed by combining GroundClub with a new calculation method. The calculation method for VSGHEX is based on the concept of fin efficiency. The simulation tool has been proven to provide dynamic calculation with high speed and appropriate precision.

本研究は分散型熱電併給システムの排熱の通年利用による省エネルギー効果を評価することを目的としている．従来の家庭用ガスエンジン式熱電併給システムは排熱を暖房にのみ利用していたため夏期は稼働していなかった．そこで，貯湯槽を用いることでガスエンジンの通年利用を提案し，実証住宅での実測を通してシステムの基本性能評価と年間の一次エネルギー削減率の評価を行う．

複数の熱源機器を有する施設では熱源機器の稼働順序や制御方法の改善によって運用全体のエネルギーやCO2排出量の削減が可能である。現在、多くの病院においてBEMSが導入されている。しかし、BEMSデータの詳細な分析を運用改善に活用した事例は少ない。そこで本報では、寒冷地の病院を対象に熱源機器の運用改善の提案を行い、実際に適用し、エネルギーの消費実態と今後の課題を明らかにした。

近年、再生可能エネルギーとして木質バイオマスが注目されています。日本では発電システムが普及していますが、エネルギー変換効率は電気使用よりも熱利用の方が優れているため、今後は熱の利用を促進する必要があると考えています。本研究では、徳島県神山町に導入されている木質バイオマス地域熱供給システムの本格稼働初年度の運用実態調査を行った。

VWV制御される冷温水二次ポンプの運転データが，ポンプメーカーの性能曲線から想定される流量～圧力の関係から乖離していることから，ポンプ吐出側の手動バルブが閉じ気味となっていることを見つけた。省エネルギーのためにその手動バルブを全開にし，インバータ周波数の上下限値，台数制御の増減段流量の設定を改善した。設定改善前後の各1週間において，流量とインバータ周波数から求めた流量当たりの消費電力量は，設定改善後に0.19倍に低減と算出された。

複合熱源システムを持つ建築物において熱源機処理負荷の置き換え運転によるDR運転を行うことで得られる供出電力を把握するため、実在する複合熱源システムを用いてDR運転のシミュレーションを行いました。分析の結果、熱源ポンプの流量を変化させることで熱源機処理負荷を置き換え、電力を供出することができることが分かりました。

複数の熱源施設間の双方向の熱融通システムの導入が予定されている国際展示場を対象とする．2台のチラーを直列に接続したり，一部のチラーに海水熱を使用したりするといった省エネルギー技術の導入が予定されている．本研究では、冷凍機の直列接続方式と並列接続方式との比較により，省エネ効果を推定する。その結果、5月から10月までの冷凍機の一次エネルギー消費量は27％削減と推定された．

本研究では、個別分散方式へ未利用熱を導入する際のポンプ消費電力削減や熱源水温度安定化を目的として、熱源水蓄熱システムを提案した。ケーススタディにより有効な設計・制御条件を明らかにし、従来システムと比較した結果、年間で約16 %の消費電力削減を達成した。また、空気熱源ビルマルチ比較でも約41 %の消費電力削減効果が確認されたことから、空調機器への未利用熱導入に向けて、有用な知見が示されたといえる。

脱炭素を目指す上での課題のひとつとして、建物や設備の企画・設計・施工・運用管理を行う主体者が各段階で異なることが挙げられる。そのため、各段階での省エネルギー目標が不明確になりがちである。この解決に向けては建物の生涯を通して「建物・設備のエネルギー性能目標の達成度」を定量的に算出し示す必要がある。 そこで本報ではLCEMツールを活用した、設計・施工段階において熱源システムの季節別の運転順位の検討を行った結果を報告する。

変流量制御に関する様々な実証実験を行うことを目的に、INV制御のポンプを中心とした熱源のない密閉回路を構築し、INV制御に関連する装置を構成する機器の性能把握を目的に実験を行った。具体的には、装置に据え付け状態でのポンプ特性の把握、INV特性の把握、INV制御時のポンプ総合効率の把握を行った。また、流量やINV周波数の条件による傾向についても確認した。

鉛直流入方式のディフューザを持つ温度成層型蓄熱槽について、蓄放熱サイクルの蓄熱性能の予測のために、鉛直流入方式のディフューザの取水モデルについて検討した結果を報告した。

都市域で帯水層蓄熱システムを企画する場合、狭隘な敷地の制約の下で二つの井戸の間隔を検討することが必要となる。そこで、適切な井戸間隔の決定に寄与することを目標に、井戸間の熱干渉を考慮したモデルを用いて、帯水層蓄熱システムの井戸間の距離を含む無次元パラメータに対する揚水温度変化のデータベースを整備した。井戸間隔と熱関係の比から簡易に揚水時無次元化温度平均を推定する式を得た。

本研究では、冷房時の部分負荷率向上を目的として、数値解析プログラムにおける熱交換係数Kexの改良を行った。また、未処理負荷の削減や安定した蓄熱・放熱運転のために蓄熱・放熱運転期間の制御に加え、風量や処理負荷による判定を加えた。その結果、空調運転期間中の未処理負荷は削減され、中間期においてCOPは向上し、通常運転時より電力消費量が最大約7.6%削減できることが示された。一方、9月では、PCM蓄熱分の負荷が加わることで負荷が増大し、消費電力が増加した。

複数の温度帯での蓄熱が可能な，高さ方向に複数の流入出口を設けた温度成層型蓄熱槽を対象に，蓄熱槽内温度を簡易に予測するための槽内混合モデル示し，CFD解析結果と比較しモデルの妥当性について検討した。槽内水温が流入温度と等しい位置が流入位置と比較的近い位置にある場合は，槽内温度を概ね精度良く予測できるが，離れている条件等では誤差率が大きくなる傾向にあることから，この点についてモデルの修正が必要であることを示した。

太陽光発電の固定価格買取期間の終了に伴い、太陽光発電の余剰電力の自家消費の活用方法の検討が求められる。近年マンションの床暖房採用率が増加する中、床暖房と潜熱蓄熱材を組み合わせた太陽光発電の余剰電力を用いて蓄熱する方法が考えられる。本研究では、試験箱を用いてシート状潜熱蓄熱材の仕様を変更し、基礎データを取得した。また、床暖房の設置された集合住宅にシート状潜熱蓄熱材を使用して実気象条件化での効果検証を行った。

　過冷却現象が顕著なPCMは、熱媒温度の設定によっては凝固が開始されず、蓄・放冷量が大幅に減少する場合がある。本研究では、PCＭと熱媒の熱伝達成分を熱抵抗体の熱伝導に置き換えた実験を行い、熱媒温度を変化させた時のPCMの蓄・放冷特性を確認した。さらに、ＰＣＭの蓄・放冷特性計算方法を提案し、熱媒温度を変え、相変化の途中で冷却と加熱を切り換えた場合の計算を行った。その結果、比較的高い精度でPCMの蓄・放冷特性を予測できることが示された。

We proposed a method for posteriori estimation of soil effective thermal conductivity from actual operation data of a shallow geothermal system using a kind of data assimilation method: ensemble Kalman filter. By assimilating the observed inlet/outlet temperature of the ground heat exchanger into the numerical simulation model, the soil effective thermal conductivity is modified. The data-assimilating estimation reproduced the value from the thermal response test at the same location.

水平型地中熱交換器は導入事例の多い垂直型地中熱交換器と比較して導入コストの削減が期待できる。筆者らは垂直型地中熱交換器と同様に、設計で用いることが可能な計算速度と精度を有しているスリンキーコイル型水平地中熱交換器のシミュレーションツールの開発を行った。本論文では地中に埋設されるスリンキーコイルの周囲の地盤温度を高速で計算するために、理論解析によって計算した温度応答をANN回帰モデルによって再現できるようにした。

カーボンニュートラルの実現に向けて、熱分野での脱炭素化が重要となる。熱回収型地中熱利用ヒートポンプシステム（HR-GSHP）は、冷房・給湯など運転に時間差のあるヒートポンプの冷却・加熱運転等による相互排熱を地盤に一時的に蓄え、余すことなく熱利用を図る熱回収システムである。本稿では、2016～2019年においてHR-GSHPを導入した対象建物の性能評価を行った。その結果、2019年に熱回収量が最大となり、システム全体で25%のエネルギー消費量の削減が可能であることが確認された。

地中熱ヒートポンプシステムの設計ではシミュレーションを用いるのが一般的である。現在は熱応答試験の結果を無限線熱源理論に基づいて解析し、土壌熱物性値を決定することが多い。しかし地下水流動が大きい場合は無限線熱源理論を上手く適用できない。本研究では異なる地盤条件を持つ2つのTRTの結果を用いて、土壌熱物性値の誤差について検討した。また、単位採放熱係数のヒストグラムを用いて、地中熱交換器の性能を評価した。

本報では、将来の状態値を連続で予測する自己回帰モデルの構築を行うと共に、環境側のシミュレータとして、構築した予測モデルを用いて、強化学習による制御則を構築し、予測モデルの有効性を検討した。結果として予測モデルはCFDをシミュレータとした場合と同様の結果を得られ、計算時間を99.9%以上削減した。これらの結果から実建物の土壌熱交換システムにおいて現実的な解析時間で検証が可能となった。

本研究では稚内珪質頁岩を吸着材としてした1kW級小型吸着式淡水化装置を構築し、淡水生成量と熱効率の測定を行った。実験は蒸発温度と再生温度を変化させた場合の熱効率による性能を示すPRと1日における吸着材1トンあたりの淡水生成量を示すSDWPを用いるとともに、淡水生成量を測定することによって評価を行った。淡水生成量は蒸発温度の上昇に伴い増加した。再生温度80度、蒸発温度25度の場合、PRは0.55、凝縮熱から計算したSDWPは19.33㎥/ton/day、淡水生成量から計算したSDWPは18.74㎥/ton/dayであることが分かった。

本研究では、2021年10月に竣工を迎えたSAGAアクアのひとつである飛込プールに隣接して設けたエネルギーセンターに集約設置した熱源設備のエネルギー使用の実態把握を行い、竣工後のエネルギー使用量の調査及びその後のチューニングを目的とした実測及び検証を行う。本報では建物概要と再生可能エネルギー設備概要について報告する。

本計画施設では省エネルギー計画として、地中熱利用、井水熱利用、太陽熱利用、太陽光発電といった様々な再生可能エネルギーを用いた設備を導入している。中でも地中熱利用ついては、地中熱利用ヒートポンプの導入に向けて計画段階から熱応答試験等の調査・検討を行ってきた。本報では、熱応答試験の概要および結果について報告する。

脱炭素化が求められる昨今においても、我々は生活のために化石燃料や電力を費やして熱を作って利用するが、廃熱や自然エネルギーなど、使わずに捨ててしまっている熱は多く存在している。本研究では、廃熱や自然エネルギーといった未利用熱利用を取り入れた複数の施設を分類・評価し、加えて温泉施設について熱利用方策の提案、未利用熱利用のシステム導入の効果及びこれまで捨てていた熱をどれだけ有効利用可能かについて明らかにすることを目的とする。

第1報、第2報おいては,熱供給配管網での配管単位線長あたり経済的最適化の理論と土木工事費を考慮した計算結果について示した。また、論文集既報では前2報をさらに発展させ、配管種の違いと全負荷相当運転時間別の最適化口径に対する影響について検討結果についても表した。 本報では,単位線長当たりの熱供給配管の口径最適化を配管網に広げた場合の計算理論について解説する

都市型地域冷暖房システム（以下DHC）は、空調負荷需要の季節変動が大きく、空調負荷パターンも様々である。サーバ室などでは冬期にも夏期と同じ冷水供給条件が求められることから、従来、通年で送水温度及び圧力を固定して供給を行ってきた。 TタワーのDHCプラントでは、季節により送水温度を変更し、需要状況により送水圧力を変えることでエネルギーの抑制を図っている。本報ではDHCプラントで導入した制御の概要及び初年度の運用実績について報告する。

カーボンニュートラルの実現にむけ、さらなる省エネルギー化が迫られている。また、災害時に都市機能を維持するエネルギーシステムの構築が必要である。本研究は、CGSを導入した地域冷暖房システムを設定し、BCDを考慮したCGS容量の設定がエネルギー性能に与える影響を検討するため、システム性能をEB・NEB、コストを用いて定量的に評価した。CGS導入割合約50%のケースは費用対効果が高く、災害時の業務継続に必要な電力供給が可能なため適当な分散電源容量と考えられる。

空気熱源ヒートポンプで加熱を行う場合、ヒートポンプが吸込む空気温度を高くすることができれば圧縮時に要するエネルギーが小さくなり高効率で運転することができる。研究対象とした地域冷暖房用ボイラ室では、ヒートポンプをボイラ室内に設置して温水供給の熱源の一つとしており、屋外にヒートポンプを設置する場合に比べてボイラ室内の高温空気を吸込むことで高効率化を図っている。本報を含む一連の研究ではこの効果を実測とCFD解析により検討している。

地域冷暖房の洞道における蒸気配管からの熱損失低減の方法について検討を行った。1970年代に竣工したトンネルでは、断熱材と配管の支持を改善し熱損失の低減を図り、その効果を現場計測とCFD解析で確認した。2020年に竣工した新しい洞道では温度分布の解析を行い、高温配管と低温配管の間の放射熱交換を検討した。

ＡI技術を活用した冷凍機の最適設定自動化システムをDHCプラントに導入した。最適なシステムを構築するために改善を行いました。そして、複数の冷凍機システムにおいて安定的に運用可能なこと、更に省エネルギー効果を確認しました。今後、エネルギー消費量予測モデルの予測精度を向上させ、継続運用により、更なる省エネルギー化を図るとともに、システムを拡張させ、冷却水温度・冷却水流量以外の設定値への適用を視野に入れ、引き続き研究を進める予定である。

本研究では，アニオン交換処理による炭素鋼の腐食抑制効果に対する流速の影響について検討した．稼働中の地域冷暖房プラントにおいて、6か月間の腐食試験を実施した。その結果、試験流速が約0.80m/sの場合、約0.07m/sの場合よりも腐食が抑制されることがわかった。

現在のまちづくりでは、街の低炭素化やレジリエンス強化の方策の一つとしてスマエネが整備されている。スマエネは、地域冷暖房にCGSを導入し、高効率な熱と電気を熱電一体供給することが特徴であるため、CGSの運転時間を増やすことが重要である。 本研究は、CGSの運転時間をより一層増大する方法を検討することが目的である。現行運転ロジックに対してどのようにCGSが運転されているかを分析し、それを適用した際、またCGSの運転時間を増加させる新たな運転ロジックを適用した際の向上効果を検証する。

Aビルを含む地区に導入された地域熱供給システムは通常の建物の空調用熱源設備の計画とは異なり、熱供給事業者は熱供給システム効率を発注者へ申告している。第2報では、稼働初年度の実績データを分析し、供給熱負荷パターンや熱源プラントの運転パターンについて計画段階と運転段階との差異を分析した。そして、稼働2年目に向けて、需要家と熱供給事業者が連携し、熱負荷の適正化や熱源プラントの運転改善などの取組を行ってきた。

Shinagawa Higashiguchi-Minami District Heating & Cooling Plant has supplied chilled Water, Steam and Hot Water for The Shinagawa Intercity and Tokyo Metropolitan Central Wholesale Shokuniku Market. This Paper reports the Operation Result from 1999 to 2022 and the Outline of the Large scale of Renovation caused by Environmental Consideration and Time Deterioration.

エリア内の冷温熱を一括して製造する地域冷暖房施設は、従来はプラント単独で省エネルギーを行う取組みが中心的だった。今後は需要家も含めたエリア全体でのエネルギーマネジメントをより強力に実施することで、脱炭素の実現に向けた取組みを更に加速させていく必要がある。本稿では、高輪ゲートウェイシティの全体計画および検討している需給連携・エネルギーマネジメントでの技術概要を報告する。

本報では高輪ゲートウェイシティの省C0₂の需給連携の取り組みの一つである熱のDR実現に向けて作成したモデルを紹介する。 熱のDRは電需要家の空調抑制のハードルの高さやインセンティブを還元できるほどの効果を出しづらいこと等から現状普及していない。そこで、熱のDRの導入を促進するために、プラントの熱製造効率が必ず向上し、インセンティブを生み出す熱のDR実現を目的とし、熱製造効率向上効果が発現する条件を算定できる簡易理論モデルを提案する。