季刊地理学
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53 巻, 2 号
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  • 森川 洋
    2001 年 53 巻 2 号 p. 93-110
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ヨーロッパでは人間社会のグローバル化とともに, とくにEU域内においては従来の国家に代わって地域の重要性が高まり, 各地域の中心をなす大都市間の競合が激化してきた。したがって, ドイツでも大都市の競争力を強化するために, 行政地域改革や都市間協力などの措置が講じられるようになった。ハノーファー市を中心とする「ハノーファー地域」の形成と都市ネットワーク「エキスポ・レギオン」の発展はそうした新しい計画として注目される。「ハノーファー地域」は郡に復帰する特別市ハノーファーとハノーファー郡の自治体によって構成される一種の広域郡で, 2001年11月に発足が予定されている。
    一方, 2000年世界博の開催を契機としてハノーファー市とその周辺のいわゆる「第2環状都市」によって形成された都市ネットワーク「エキスポ・レギオン」は, 1994~98年にかけて連邦空間整備において実施された12のモデル計画の1つに選ばれ, 今日まで積極的に活動してきた。ドイツにおいてもハノーファー市のように, 大都市とその周辺自治体とが一種の広域郡を形成し, さらにその周辺の都市との間に都市ネットワークを形成している例はなく, 模範的事例の1つと考えられる。
  • 『日本風景論』の政治的メタファーを探る
    米地 文夫
    2001 年 53 巻 2 号 p. 111-126
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    志賀重昂は『日本風景論』の中の名文といわれ, しばしば引用される一節「火口湖」に, 政治的なメタファーが用いられており, 彼の好戦的プロパガンダがこの文にこめられていることを明らかにした。すなわち, 戦争の相手である清国の平野部の湖沼の景観を凡庸で殺風景, さらに不健康な環境と述べ, 美しい日本の火口湖と対比させた。また「火口湖」の平和な景観は, 噴火という激動のあとに得られたもので, 志賀の文は平和論, 反戦論への攻撃を行っているのである。
    『日本風景論』の刊行に先だち同書の一部が政教社刊行の雑誌に予告を経て発表されていたが,「火口湖」は予告なしに日清戦争の開戦後『亜細亜』3巻3号に急遽繰り込まれている。志賀が実見した「火口湖」は少なく, 記載のほとんどを他書からの無断借用で埋め, 拙速に書き上げられたもので, 改悪や誤読も多い。また, 後年には逆に, 日本の湖よりも海外の湖の景観が優れていると言ったり, 恣意的な比較を行っている。要するに志賀は,『日本風景論』において, 単に湖を用いて中国に対する日本の優位を説きたかったのであり, 湖の優劣の議論はそのための詭弁に過ぎなかったのである。
  • 松岡 恵悟
    2001 年 53 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • すべり面は頭上にある
    八木 浩司, 吉松 弘行
    2001 年 53 巻 2 号 p. 132-134
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 53 巻 2 号 p. 135-136
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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