図書館学会年報
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42 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • 岸田 和明
    1996 年 42 巻 2 号 p. 87-98
    発行日: 1996年
    公開日: 2021/11/10
    ジャーナル フリー
     これまで,何人かの研究者が,図書館における貸出回数による蔵書の分布のモデル化を試みてきた。しかし,初期時点からある年までの貸出データを累積した場合の分布に関しては,蔵書の廃棄や別置の問題にとって重要であるにもかかわらず,十分に現実に適合したモデルは,これまで得られていなかった。本稿では,Quentin L.Burrellが以前に提案したこの分布のモデルを拡張・一般化することにより,実際のデータにより適合する新たなモデルを提案する。実際にこの修正モデルを,筆者が以前に収集・集計した,ある日本の大学図書館における4年分の貸出データに対してあてはめたところ,十分に満足のいく適合度を示した。
  • 緑川 信之
    1996 年 42 巻 2 号 p. 99-110
    発行日: 1996年
    公開日: 2021/11/10
    ジャーナル フリー
     分類法の特徴を階層構造と多次元構造という構造に関する側面から検討した。まず,列挙表示と合成表示という表示上の分け方と,階層構造と多次元構造という構造上の分け方とを区別する必要性について説明した。そして,後者の分け方に基づいて既存の主要な4つの分類法,すなわち,デューイ十進分類法,アメリカ議会図書館分類法,国際十進分類法,コロン分類法の位置づけを行った。また,特に,デューイ十進分類法は完全な階層構造であるか,それとも多次元構造の要素が取り入れられているか,という2つの解釈について検討を行った。この問題は,「0」を総記と解釈するか,連結記号と解釈するかという問題とも関わっている。
  • ─教育改革の観点から─
    平久江 祐司
    1996 年 42 巻 2 号 p. 111-127
    発行日: 1996年
    公開日: 2021/11/10
    ジャーナル フリー
     1980年代の教育改革により,社会の変化に主体的に対応する能力としての自己教育力の育成が学校教育の課題となった。その一環として,情報化への対応が重要な側面として位置づけられた。本稿では,この教育改革の視点から,自己教育力の育成とそのための学校図書館利用指導について考察した。その結果,次のことが明らかになった。
     自己教育力の理念は,問題解決能力,自己学習能力,情報活用能力の3の能力によって構成される。情報活用能力の育成では,情報手段を使いこなす能力,情報処理能力,情報批判能力を育成することが重要である。情報化に対応する学校図書館利用指導は,これらの能力の育成に貢献することができる。そのためには,全国学校図書館協議会の「体系表」を活用し,その内容を身近な問題の解決の過程で習得することが大切である。
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