1980年代の教育改革により,社会の変化に主体的に対応する能力としての自己教育力の育成が学校教育の課題となった。その一環として,情報化への対応が重要な側面として位置づけられた。本稿では,この教育改革の視点から,自己教育力の育成とそのための学校図書館利用指導について考察した。その結果,次のことが明らかになった。
自己教育力の理念は,問題解決能力,自己学習能力,情報活用能力の3の能力によって構成される。情報活用能力の育成では,情報手段を使いこなす能力,情報処理能力,情報批判能力を育成することが重要である。情報化に対応する学校図書館利用指導は,これらの能力の育成に貢献することができる。そのためには,全国学校図書館協議会の「体系表」を活用し,その内容を身近な問題の解決の過程で習得することが大切である。
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