地理学評論
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78 巻 , 3 号
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  • 野上 道男
    78 巻 (2005) 3 号 p. 133-146
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    地図は現実世界のモデルである.したがって地図上で行われるすべての営為は広義のシミュレーションと呼ばれてしかるべきである.このような地理的シミュレーションは地図のデジタル化,GISによって改新された.私の以前の研究から,日本列島における植生の帯状分布に関する地理的シミュレーションを事例として取り上げた.1km解像度の植生と気候のグリッドマップを用いて,常緑広葉,落葉広葉,常緑針葉,高山低木などの天然森林帯を分ける熱的閾値を求めた.これらの値を使い,人間活動によって本来の植生が失われた場所の潜在植生を推定し,また気温が7°C低下した気候,2°C上昇した気候下における潜在植生を推定した.現在の地理的分布とそれを決めている制約要因の空間的相関は,過去の鍵であると同時に未来の鍵でもある.さらに他の分野と共通する意味の,すなわち狭義のシミュレーションを私の以前の研究から事例として二つ取り上げた.一つは小流域の地形発達に関するものである.流域は斜面と河川プロセスの領域に2分割され,異なる発展方程式(時間を含む偏微分方程式)をモデルに採用した.このスキームを採用したことで,二次元モデルに,岩石制約と気候的影響をセットにして拡散係数として,また海面変化を境界条件として組み込むことができた.これからの10万年はこれまでの10万年と同じ気候変化や海面変化があるという仮定の下で,正六角形DEM上でシミュレーションを行った.もう一つの事例は排水網の確率的モデルに関するものである.排水網ネットワークシステムは基本的に二分木である.シミュレーションモデルは再帰関数群から成り,一つは乱数によって新しい分岐を発生させて(モンテカルロ法)水路網を作り出す.もう一つは水路網の特性(流域面積,ホートン・ストレーラの次数,分岐比など)を計算する.シミュレーションという用語によって,地理学は何であるか,地理学とはどのようなものであるかを語ることが,地理学を広く知ってもらう最良の方策であると思っている.なぜなら科学はその予知能力によって評価されるからである.
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  • 川瀬 宏明, 木村 富士男
    78 巻 (2005) 3 号 p. 147-159
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    冬季北西風の吹出し時に,日本の周辺海域には筋状雲が現われる.その中でも,日本の南海上ではしばしば太い筋状雲が発生する.本研究では,冬季3カ月(1, 2, 12月)のGMS (Geostationary Meteorological Satellite)可視画像を分析し,850hPaの風と対応させることで,このような筋状雲が下層風によって受ける影響を調べた.その結果,筋状雲の出現は風向だけでなく風速によっても変化することがわかった.筋状雲には風速の増加に伴い発生頻度が増加するものと,逆に発生頻度が減少するものが存在する.九州の東海上,四国の南海上に現れる筋状雲は前者にあたり,紀伊山地の風下,紀伊水道で発生している筋状雲が後者にあたる.また,風速の変化によって出現する位置が変化する筋状雲も存在する.四国山地の南東風下にできる筋状雲がこれにあたり, 850hPaの風速が増加するほど発生位置が北東に移動する.
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  • 南埜 猛
    78 巻 (2005) 3 号 p. 160-175
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,急速に都市化・工業化が進展している発展途上国の諸都市における都市用水の現状と課題を,インド・バンガロールを事例に,水資源開発と水利用実態の2側面から検討した.バンガロールが500万人もの人口を抱えるまでに発展できたのは,数次にわたる水資源開発が実現できたからである.現在では約100kmも離れたカーヴェーリ川を水源とし,500mも低い地点よりポンプアップし水を得ている.水利用において,水道局からの給水が不確実・不十分であるがゆえに,工場などでは民間水供給会社からの水の購入や自家用井戸の設置,また家庭では地下・屋上タンクの設置などの対応がみられた.このように,用水の確保に関わって水利用者による二重の投資がなされている.さらに都市用水に関わる費用負担については,水道料金体系の見直しにより貧困層の負担が増加し,またスクォッターなど水道契約をしていない者への給水を制限する状況にある.発展途上国では,貧困層が生存権として最低限の生活用水を確保できるよう十分な配慮がなされるべきことが求められる.
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  • 78 巻 (2005) 3 号 p. 176-178,i_1
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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