地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
10 巻 , 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 秋元 菜摘
    2017 年 10 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    高齢化社会では日常生活におけるモビリティを改善するために歩行環境の重要性が高まっている。本研究では筑波研究学園都市の中心部において歩行環境に関わるデータを収集し,多変量解析によって分析した。数量化理論Ⅲ類の結果,歩行環境の構成要素に影響を与える因子として,(1)歩道の構造,(2)舗装の管理,(3)設備の整備,の3つが抽出された。因子のサンプルスコアに対してクラスター分析を施して歩道を5つに類型化し,空間分布の側面からも考察を加えると,歩行環境は歩道の構造だけでなく,駅からの距離や沿道の土地利用によって異なることが明らかになった。現状では,特に転倒の要因となる危険性が高い劣悪な舗装や街路灯が未設置の歩道を優先的に整備することが急務である。歩行環境を維持するためのコストを考慮すると,今後は中長期的に維持管理しやすい歩道を整備してゆく必要がある。
  • 本多 広樹
    2017 年 10 巻 1 号 p. 15-28
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,環境に配慮した行動の実践において,情報交換を中心とした他者との関わりが個人に与える影響を定量的に明らかにすることを目的とした。分析では,環境家計簿を活用した個人のライフスタイルの改善を目指す団体とその会員を対象とした。各会員は,入会した経緯や世帯状況などには差があったものの,2016年時点ではさまざまな行動を実践していた。これらの会員は,環境家計簿の作成や,それを通した情報交換に大きく影響を受けていた。特に,自身の世帯のエネルギー消費量(CO2排出量)を数値として認識することと,それを他の会員と比較することが,会員それぞれにとって削減の意欲に繋がっていた。また,各自の取組み紹介を元にした情報交換により,効果を数値的に確かめた省エネ行動や設備の導入を行った。その結果,各会員が入会当初よりもCO2排出量を削減したことが,環境家計簿を用いた定量的な分析から明らかになった。
  • 堀本 雅章
    2017 年 10 巻 1 号 p. 29-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
     沖縄県竹富町にある鳩間島は,石垣島から1時間弱で行くことができるが,時化で冬期は1週間欠航することが珍しくなく,日常生活に大きな支障が生じている。堀本(2014)は,2010年の調査で西表島との架橋について自由な来訪による生活環境の悪化などにより,島民の3分の2が橋を不要と考えていることを明らかにした。しかし,その後の5年間に起こった約1カ月におよぶ船の欠航や,島内唯一の売店の閉店により架橋を必要とする島民の増加が推察された。本研究の目的は,2010~2015年の5年間に生じた利便性の低下により,架橋に対する島民意識に変化が生じていることが予想され,再調査によってそれを明らかにすることである。その結果,2010年は約67%,2015年は約63%の回答者が環境の悪化や宿泊客が減少する懸念,島であることが魅力で橋は不要と考え,利便性が低下しても架橋を不要とする者が多いことが明らかになった。
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