地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
11 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 小泉 茜彩子
    原稿種別: リサーチ・ペーパー
    2018 年 11 巻 2 号 p. 95-109
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では,ロシア沿海地方を事例として,新興市場周辺部の地域が多国籍企業によってどのような影響を受けるのかについて,地域産業の発展と中心部との間の階層性の変化に着目して検討した。沿海地方では2009年から自動車の組立生産が行われており,現在ではマツダソラーズ社のみが工場を稼働している。マツダソラーズ社が沿海地方で自動車の組立生産を行うことには経済的合理性がある一方で,産業が成立するにはロシア中央政府による優遇措置が不可欠であり,必ずしも市場原理に則していないことが確認できた。また,海外自動車部品企業の進出が困難で,地元企業との連関が脆弱なため,地域産業への影響は限定的であることがわかった。その一方で, 2009年から2017年の間に整備期・参入期・交渉期を経て,沿海地方行政府がロシア中央政府に対して投資環境の向上を求めて交渉を行うなど,発言力を得たことが認められた。このことは,新興市場の周辺部で多国籍企業が活動を行うことは,中央政府が主導する地域開発において,周辺部の地方行政が中央政府に対する発言力の獲得を可能にすることを示唆する。
  • 岩井 優祈
    原稿種別: リサーチ・ペーパー
    2018 年 11 巻 2 号 p. 111-127
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,津波避難施設の収容可能面積に着目しながら収容超過によって避難が不可能になった人々の空間的な再配分を目的として,彼らの居住地に対する別の避難先への到達可能性についてGISによる定量的な空間分析を行った。事例地域には静岡県浜松市の沿岸地域を選定し,南海トラフ巨大地震による夜間の津波襲来を想定した。  分析の結果,最近隣に立地する津波避難施設へ避難した場合の避難達成率は54%であり,収容超過した人々を浸水域外もしくは収容面積に余剰のある津波避難施設へ再配分することで,避難達成率は86%に上がることが明らかになった。また,浸水域外へ避難した方が収容超過した人々の再配分に対するポテンシャルが高いことがわかった。一方で収容面積に余剰のある津波避難施設は,避難可能時間内に浸水域外へ到達できない人々にとって特に有用であることが判明した。本研究で得られた知見は,津波避難施設の配置計画や住民による初期避難の精度向上に役立つ。
  • 山下 亜紀郎, 羽田 司
    原稿種別: リサーチ・ペーパー
    2018 年 11 巻 2 号 p. 129-144
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿は,ブラジル北東部サンフランシスコ川中流域における日系入植者たちの社会経済特性について,入植後から現在までの変遷を踏まえながら明らかにすることを目的とする。大規模灌漑果樹農家として成功した先駆的単独入植世帯の事例では,農地を分割しながら世代交代して現在も農業が継続していた。一方,集団入植世帯の多くも,日系農協組織の解散に見舞われながらも,自ら新たな同業者組合を結成したり,個別に集出荷業者と契約したり,海外市場向けの新品種を積極的に導入したりしながら,果樹農業を発展させていた。当地域の日系人コミュニティは,日系人同士の親睦や次世代への日本語・日本文化の継承に大きな役割を果たしてきたが,近年では,日系・非日系の垣根を超えた地域社会の交流を促進し,現地ブラジル社会へ日本語・日本文化を伝道するという,新しい存在意義や役割も付与されていた。
  • 池田 真利子
    原稿種別: フォーラム
    2018 年 11 巻 2 号 p. 145-164
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
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