地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
13 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 池田 彩乃, 淡野 寧彦
    2020 年 13 巻 2 号 p. 73-85
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/28
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    本稿は,愛媛県鬼北町における座敷雛がいかにして発生し,その後の中止と復活を経たうえで地域行事の一つとして継承されてきた過程を分析した。これらにより,鬼北町の地域文化としての座敷雛の特徴や役割を明らかにすることを目的とした。 八幡浜市真穴地区が発祥とされる座敷雛は,20世紀前半に,同地区と鬼北町旧広見町の住民との間での婚姻関係の成立により伝播した。1990年代になって,きほく座敷雛保存会のメンバーが座敷雛展示を復活させ,その造園技術やメンバーの継続的確保などによって,座敷雛展示は次第に鬼北町における代表的な地域行事の一つとして定着した。さらに,道の駅での展示の開始や,鬼北町内外の組織と連携したイベントの実施など,座敷雛展示の拡大や継続は,地域に活力を与える一助として貢献した。 メンバーの高齢化を理由に,2019年にこの活動は終了したが,座敷雛展示は25年間にわたって継続されたことに加え,約100年前の地域間交流や人の往来を浮き彫りにしたことも評価されるべきである。
  • Norie OSHIMA
    2020 年 13 巻 2 号 p. 87-98
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    Liberalization, Globalization and Privatization (LPG) wave unleashed and unveiled by the Iron Lady and famous visionary, Margaret Thatcher, former British PM in the 1980s, triggered large scale inter-country migration, especially of skilled workforce and quickened the pace of exchanging skilled force between developed and developing countries all over the world. Europe also offered opportunities to the skilled immigrants. It might be useful to analyze this cross-border pattern, delve into pressing issues, outline strategies for better quality of life and interaction between the native residents and the immigrant skilled workers. This study aimed to show how living environment of enclave and non-enclave residents affected community activity participation in a foreign country. In this paper, we show the result of community activity participation by the enclave and non-enclave Japanese residents in the Netherlands. This paper highlights our findings that community activitiey promote face-to-face communication and reinforce further bonding, thereby mitigating slightly the deprivation and feeling of alienation in the foreign country. In sum, community activities provide both enclave and non-enclave Japanese residents useful psychological support. Through community activities, mainly females tried to develop personal relationships with others who were under under the same situation both an expatriates’ wife and international marriage wife. Using newly constructed personal relationship in Holland, they exchanged information related to their daily life issues and educational matters for their child. Such face-to-face information exchanges removed discomfort and engendered a sense of reassurance with empathy in a foreign country.
  • 杜 国慶
    2020 年 13 巻 2 号 p. 99-112
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,イタリアのヴェローナを事例として,都市の特色とイメージ形成を分析する。事例都市のヴェローナはイタリア北東部のヴェネト州に属し人口およそ26万人の都市である。2000年以上の歴史をもつ要塞都市として発展してきた中心部には円形闘技場など古代ローマの遺跡が現存し,中世の町並みがよく保存されており,2000年に「ヴェローナ市街」として世界遺産に登録された。また,シェイクスピア作品の舞台としても名高い。ミラノとヴェネツィアの間に立地するため,両都市から容易に日帰り旅行ができる。1913年に始まった世界最大規模の野外オペラ祭,イタリア最大のワイン祭りVinitalyの開催地として,短期滞在観光者も多い。人口規模では小都市にしか過ぎないヴェローナは,歴史基盤と芸術作品,芸術活動,大型コンベンションなどの集客力で観光産業が発展してきた。近年,情報技術の進展に伴い,観光者の情報発信も活発になり,都市のイメージ形成にも影響を及ぼしている。
  • 鈴木 修斗, 黄 璐, 張 紅, 佐藤 大輔, 山下 亜紀郎, 呉羽 正昭, 堤 純
    2020 年 13 巻 2 号 p. 113-128
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,コロナ禍の中において実施された筑波大学大学院におけるフィールドワーク実習(上田巡検)の事例報告である。新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下においては,聞き取り調査などの対面接触を伴う実習形式の講義(巡検)の遂行が困難である。そこで筆者らは,感染対策を伴う新たな巡検スタイルの構築を模索・実践した。コロナ禍の中で巡検を実施するにあたり,事前ミーティングや事務連絡はオンライン上で完結させることが可能である。調査時には徹底した感染対策を行うとともに,食事の分散化やゼミのオンライン化によって宿泊場所での感染拡大を防ぐことができる。また,現地調査を円滑に進めるためには,今まで以上に綿密な事前準備が重要である。以上のような対応をとることで,コロナ禍の中においても高い教育効果をもった巡検を遂行することが可能であった。こうした実践の成果は,ウィズコロナの時代におけるフィールドワーク実習の実施に際して,有益な示唆を与える。
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