地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 西尾 さつき
    2019 年 12 巻 1 号 p. 1-19
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,様々な社会領域において,農業被害をもたらす外来生物ジャンボタニシがアクターとして,各アクターといかに関係し,ジャンボタニシを通じて異なる社会領域同士がいかに関係しているか検討した。ジャンボタニシが関連する法制度の変化や農業被害に,ジャンボタニシの近縁種が流通する観賞魚業界という社会領域が反応していることが示された。また,農業の領域でのジャンボタニシと個々の農業者の間には,様々な外部要因による影響がある。また,ジャンボタニシからの働きかけへの農業者の応答も駆除という行動に留まらず,複雑な関係にある。また,外来生物としてのジャンボタニシの働きかけが,その被害防止に用いられる農薬の展開の要因となっている。このように,外来生物が社会へ埋め込まれ,時にアクターと化していることは,今後外来生物に関する問題の解決を試みる際に,社会的な要素を考慮するための重要な視点であると考えられる。
  • 有村 友秀
    2019 年 12 巻 1 号 p. 21-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,九州新幹線の開業を契機とした駅周辺開発に着目し,駅周辺の中央駅地区と既存中心街である天文館地区の競合関係を分析することによって,鹿児島市中心部における都心機能の分布とその変容を解明した。中央駅地区における開発では,宿泊機能,業務管理機能,商業機能を有した施設が誕生し,各機能が三者三様に天文館地区へ影響していた。まず宿泊機能は,両地区共に同様の開発が行われたため,共に機能が強化された。次に業務管理機能は,中央駅地区にオフィスビルが誕生し中央駅地区の機能が強化されたが,天文館地区は維持され中心部は二核心となった。最後に商業機能は,中央駅地区に商業施設が誕生し,天文館地区では店舗の流出や百貨店の閉店が発生したことで,中央駅地区のみ機能が強化された。鹿児島市中心部全体として,天文館地区のみの単核心から,中央駅地区が新しく核となって二核心へと変容した。
  • 加藤 ゆかり
    2019 年 12 巻 1 号 p. 37-51
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,群馬県大泉町に居住または大泉町で学齢期を過ごした経歴のある日系南米人のライフヒストリーを明らかにすることを目的とした。本研究では,日本の外国人労働者の先駆け的な存在である,日系南米人の第一世代および第二世代による詳細なライフヒストリーを通して,既往研究では明らかにされていなかったホスト社会の取り組みや居住環境が,日本での居住地選択やキャリア選択を行う際に大きく影響していたという,新たな視点を提供した。また,年代や通学学校種などにより,生活実態には差異が生じていたことも明らかとなった。本研究で明らかとなった諸点は,複数世代の外国人居住者と共生するホスト社会の在り方を考える上で,有効な資料となるといえる。
feedback
Top