禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.16 巻, 05 号
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  • 森本 泰子, 山口 孝子, 小塚 美穂, 名和 成美, 吉田 和暉, 坪田 理奈, 中嶋 若奈, 樋上 聡子, 田村 未佳子, 黒田 結菜, ...
    2022 年 vol.16 巻 05 号 p. 1-8
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/21
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:喫煙や受動喫煙による健康被害が幅広くは知られていないため、これらを啓蒙する禁煙支援イベントを実施し、参加者への意識調査からイベントの効果を検討する。
    方法:神戸学院大学の学生及び教職員を対象に2018 年から2019 年の4 日間「禁煙支援イベント」を実施し、喫煙、受動喫煙による健康被害についてのレクチャーと、その前後での無記名自記式質問票を用いた調査を行った。喫煙・禁煙経験の有無により禁煙未経験者(A 群)、再喫煙者(B 群)、禁煙成功者(C 群)、非喫煙者(D 群)の4 群に分け、健康被害の認識等をレクチャーの前後および4 群間で比較した。A・B 群には禁煙ステージ、B・C 群には禁煙時の症状等も調査した。
    結果と考察:禁煙時の症状としてB 群では「イライラ・集中しにくい」をあげる人が多かった。再喫煙に至った理由としてB 群だけでなくC 群でも「周囲の影響」があげられた。よって再喫煙の防止に症状の緩和と周囲の協力が重要と確認された。喫煙による健康被害の選択数はD 群以外では増加せず、受動喫煙についてはB 群とD 群でのみ増加した。D 群に比較してA 群ではレクチャーの前の喫煙・受動喫煙よる健康被害の選択数が少なかったことから、健康被害の認識の低さと喫煙継続の関連が示唆された。A 群の中で禁煙ステージの高い人ではレクチャー後の健康被害の選択数がむしろ減少傾向にあった。またA 群の半数はレクチャー後も禁煙ステージが低いままであった。
    結語:タバコの有害性を伝えるレクチャーは禁煙支援に一定の効果があると思われるが、より効果的なものにするには禁煙時の症状緩和の方法などさらなる情報提供が必要と考える。
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