要 旨
目的:喫煙経験によって分類した大規模調査を行い、日本におけるたばこに関する教育と禁煙治療の現状と成果を把握することを目的とした。
方法:日本に在住する 6,182 名(男性 3,091 名、女性 3,091 名)を対象に、喫煙に関するインターネット調査を行った。
喫煙経験は、「未喫煙」「禁煙成功」「禁煙失敗」「喫煙」「答えたくない」の 5 つの選択肢を用意した。また、性別、年
齢、居住する都道府県を尋ねた。
結果と考察:調査対象者のうち 0.52%が「答えたくない」を選択し、これを除く調査対象者全体の 63.64%が未喫煙者であり、36.36%が喫煙経験者(禁煙者が 22.24%、禁煙失敗者が 5.97%、禁煙を試みたことのない喫煙者が 8.15%)であった。男性が年代増加に伴い禁煙成功者の割合が増加していた。特に、禁煙成功者の割合が高いのが、男性が 60 代、女性が 30 代であった。地域別の検討では、関東地方の成人と北海道の女性の未喫煙者の割合は低かった。
結論:近年の日本の喫煙率低下には、高年代の男性の禁煙成功率増加が強く影響していると考えられる。また、関東地方在住の成人と、北海道在住の女性に対する積極的な喫煙防止の取り組みが必要であると考えられる。
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