日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
13 巻, 1 号
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原著
  • 岩井 完, 梶谷 篤, 内藤 俊夫, 小林 弘幸
    2017 年 13 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2017/07/31
    公開日: 2024/01/19
    ジャーナル フリー
    肝胆膵疾患領域の裁判例(85 例)の分析を行ったところ,死亡事例が多く紛争化リスクが高いことが推測され,過失認容率も 60 %と高く,改めて肝胆膵疾患領域における医療事故防止の重要性が確認された。 疾患別にみると,肝臓癌,急性膵炎の訴訟の数が多く敗訴率も高いことが確認され,小児事例については核黄疸事例が殆どで,敗訴率も高かった。 過失の類型という点では,説明義務違反や診断上の過失の他,検査義務違反や術後管理上の過失に関する敗訴事例が多く,検査義務においては,ルーティーン検査の実施における油断が過失につながる例が多く,術後管理においては,ERCPの合併症に関する対策の甘さが原因である例が多かった。 また,肝臓癌スクリーニング検査や核黄疸に関する裁判例は,最高裁判決が出されて以降その数が大きく減少していることから,医療裁判例の検討が医療事故の防止に有益であることが示唆された。
  • 小松原 有華, 西迫 尚, 廣瀬 雅宣, 國島 広之, 清水 剛治, 山﨑 行敬, 松田 隆秀
    2017 年 13 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 2017/07/31
    公開日: 2024/01/19
    ジャーナル フリー
    目的:カンピロバクター腸炎は多彩な症状を示すが、その詳細を検討した報告は少ない。カンピロバクター腸炎の特徴を分析し、診断治療に資することを目的とする。 方法:カンピロバクター腸炎の臨床的特徴を後方視的に検討した。2006 年から 2013 年までの 8 年間に培養した便検体から Campylobacter属菌が検出された 365 例を対象に検討した。 結果:男性 227 例、女性 138 例。平均年齢は 26.2 歳。8 月が 43 例と最も多く、次いで 7 月、9 月に多くみられた。発熱が下痢に先行した症例が 124 例であった。腹痛を認めた 289 例のうち右下腹部または下腹部が 103 例であった。随伴症状は血便が 85 例、頭痛が 79 例、関節痛が 36 例であった。 結論:カンピロバクター腸炎は発熱が消化器症状に先行する例が多く、臨床症状のみから他疾患との鑑別は困難である。発熱や頭痛のような症状でも本疾患の可能性を念頭に入れることが望ましい。
症例報告
短報
総説
総説(テキスト用)
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