背景:近年,外国人観光客が傷病を負い当科に救急受診される例が散見される。
目的:観光都市部で 2 次救急を担当する当科に受診した外国籍救急患者の実態を把握し,当院の翻訳対応や問題点の現状を報告する。
対象:2014 年 4 月~2019 年 3 月迄( 5 年間)に救急受診した外国人患者。
結果:救急受診数は計 198 例。年齢 40 ± 19 歳,男性 88 例,女性 110 例。国籍はアジア圏が 157 例(79%)と最も多かった。疾患は,外傷が 72 例(36%)と最も多かった。緊急入院例は 13 例( 7 %)であ った。 2019 年以降はPOCKETALK
®を使用し診察時病歴聴取,治療上インフォームドコンセント取得,病状説明等が可能であった。全例の支払費用は 108000 ± 453340 円,6 例に未収金(合計金額 364260 円)
があった。
考察:当科は多国籍外国人救急患者を受け入れ,翻訳対応を工夫しほぼ全例で診察時の言語に関する問題点はなかったが,未収金発生問題は存在し救急応需前に保険加入有無や支払い能力等経済的側面を確認することが重要である。
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