我が国において増加しているMultimorbidity高齢者は,QOL低下, 入院の増加などと関連があり, 対策が急務である。入院診療は再評価と介入を開始する絶好の機会であり, 病院総合診療医が様々な専門職と協働して Multimorbidity高齢者の診療に関わる意義は大きい。入院中の臨床課題として, 1)誰(何科)が主治医になる
(べき)か, 2)意思決定支援(Advance Care Planning), 3)退院支援, がある。念頭におくべき患者アウトカムへの対応として, 1)入院中の合併症予防, 2)ポリファーマシー対策, 3)うつスクリーニング, 4)不必要な救急受診の予防, 5)再入院の予防, 6)適切な在宅復帰・ケア移行, を意識する。これらを行う上で, 1)高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA), 2)フレイル評価, 3)治療負担の評価, が必須である。
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