今後のリンパ節腫脹例の診療に役立てるために,リンパ節生検施行例を再検討した。
対象は総合診療内科で 3 年間にリンパ節生検を実施した 16 例である。
内訳は悪性リンパ腫 10 例,adult T-cell leukemia/lymphoma 1 例,癌リンパ節転移 2 例,Still病 1 例,菊池病 2 例であった。
リンパ節腫脹 4 領域以上の 8 例はすべて悪性,うち 5 例が死亡例であった。
4 領域以上のリンパ節腫脹は予後不良因子といえる。
摘出リンパ節の容積平均は 1678. 8mm
3,うち診断困難であった 3 例はいずれも 400 mm
3未満で,Hodgkinリンパ腫,angioimmunoblastic T-cell lymphomaが含まれた。
リンパ節内で腫瘍細胞が散在し部分的に増生することがあるため,生検材料の大きさは重要で,病理診断には生検材料400mm
3以上の大きさが望ましいと考えた。
工コーを施行された 12 例での正診率は 91.7 %であった。
良性・悪性の鑑別にリンパ節工コーが有用であった。
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