当院は 2014 年度まで急性期 2 病棟で運営してきた。2015 年度に周辺地域の医療ニーズ分析を行い,主要な病院機能を「ポストアキュートの受け入れ」と「在宅医療支援」と位置付けた上で,急性期 1 病棟と地域包括ケア 1 病棟に転換した。急性期病院との連携および在宅機能の強化を図った結果,法人外からの入院が増加し,2017 年度以降全入院の30%程度を維持するとともに,概ね90%を超える病床稼働率を保っている。また 2020 年に発熱外来を設置して,延べ 2,000人の新規患者を受入れた結果, 減少した外来患者数が 1 日当たり 154人にまで回復してきた。在宅患者へのコロナワクチン接種や地域ケアプラザへのあいさつ回りにより,そこからの訪問診療依頼が増えた。住民のニーズに沿った取り組みを行い,適切に広報する。その上で,次代を担う人材をしっかり育成し,地域から愛される病院となることが役割と考える。
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