背景:救急診療は現代に欠かせない医療分野である。当院救急センターは,年間 4000 件を超える救急搬送総数を担い,2014 年 4 月より救急専従医が 1 名就任し,平日日勤帯は初期研修医と共に様々な重症度の救急例に応需する事で救急車対応を概ね一元化し,診察後に入院が必要な患者を担当科に振り分ける。
目的:救急専従医による救急車対応一元化の効能を検討したので報告する。
対象:2015 年 1 月~2017 年 12 月迄を対象期間とし,各年毎に救急搬送数や応需率を調査した。
結果:総救急搬送数は 13025 例(2015 年 3969 例,2016 年 4412 例,2017 年 4644 例)で年々増加傾向を認めた。全搬送例の内,4682 例(36%)を救急専従医が初療担当した。夜間当直帯も含めた総救急応需率は 68%(13025 例応需 /19092例依頼)で,平日日勤帯の応需率は 94%(5692 例応需 /6045 例依頼)であった。
考察:平日日勤帯に救急専従医により一元的に救急車応需を判断し初期診療やadvanced triageを行う事で総救急搬送数増加や応需率高値の観点から病院の救急車対応は改善し,望ましい地域医療貢献が出来ると考えられる。
結語:当院の救急車対応一元化の効能を検討報告した。
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