70代男性。入院4日前, 発熱を認め躯幹四肢の発赤, 全身倦怠感も出現し当院紹介受診。躯幹四肢に淡紅斑を認めCRP29.86mg/dL, Cr2.47mg/dL, eGFR21mL/min/1.73 m
2, 血小板数5.4万/μL, FDP 24.5μg/mLで急性腎障害とDICのため入院した。また, 皮疹の性状よりリケッチア感染症が疑われたため直ちにミノサイクリン投与を開始した。皮膚生検PCR結果より日本紅斑熱と判明したが, 紅斑, 発熱は持続, 腎機能も悪化したため血液透析を施行しレボフロキサシン投与も追加した。入院4日目突然モニター心電図でST上昇を認めたため緊急冠動脈造影を施行したところ, 右冠動脈と左回旋枝に狭窄を認めSTEMIの診断でPCIを施行した。以後, 腎障害の改善とともに解熱, 紅斑も軽快し入院17日目に退院した。様々な合併症を併発し治療に難渋した重症の日本紅斑熱の1例を経験した。
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