【背景・目的】著者らの先行研究では,病院総合診療医は専門医不在の疾患と時間外の救急患者を多く診療していた。本研究では近年の病院総合診療医の役割と変化について検討する。
【方法】2019 年度に祐愛会織田病院内科で診療した患者を病院総合診療医(H群)と領域別内科医(S群)に分けて解析した。
【結果】入院患者では,H群で専門医不在の疾患の患者の割合(59.8% vs. 27.3%)が高く,先行研究よりも高かった。外来診療では,H群で時間外(6.8% vs. 2.9%),救急外来(11.8% vs. 4.3%),救急車(1.5% vs. 0.7%),CPA(0.12% vs. 0.05%)の患者の割合が高かった。
【結論】病院総合診療医の役割は先行研究とほぼ同じであった。病院総合診療医には,複雑な高齢患者を診療する領域別内科医のサポートや専門医不在の疾患の診療などで,より横断的な役割が求められている。