ランドスケープ研究
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64 巻, 5 号
選択された号の論文の107件中101~107を表示しています
  • 山口 理枝子, 横張 真
    2000 年64 巻5 号 p. 865-870
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    現在北米では, グリーンウェイとよばれる, 河川や自然地, 廃線路などを利用した帯状緑地の計画が進んでいる。この計画は, パークシステムに端を発し, 1960年代のアウトドア活動の増大, および都市部におけるオープンスペース不足への対策として, 再び脚光を浴びた。1980年代には, 折からの環境問題や洪水被害, 歴史的遺産の消失などの問題を受け, 景観生態学の貢献などとあいまって, 広く概念が発達した。1990年以降には, 法制度や, 建設資金を担保する社会制度の整備などを受けて, 計画が促進され, 北米各地に広まっている。本稿は, グリーンウェイ計画の発展経緯とその社会的背景の関係を究明しようとするものである。
  • 山田 和司, 浦田 啓充
    2000 年64 巻5 号 p. 871-874
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    良好な都市環境を保全する上で民有緑地の中でも既存樹林地の消失が大きな問題となっている。本調査では民有緑地保全の検討に資するため, 全都道府県及び全政令市を調査対象として, 実際にどのような理由から既存樹林地が消失してしまっているのか現状を明らかにするための調査を行った。その結果, 緑地消失の原因として, 相続発生を契機とするもの, 開発や土地有効利用によるもの, 維持管理が負担の3点に整理された。そして開発や土地有効利用を除くその他の原因について, 現状における対応策の効果への検証を行うとともに, これを踏まえた今後の課題の整理を行った。
  • 東海林 克彦
    2000 年64 巻5 号 p. 875-878
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    本論では, 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づき設定されている猟区を利用する狩猟者数の規定要因等について考究するため, 猟区の利用状況, 猟区の設定状況及び特性, 猟区利用者や猟区設定者等の意向についての調査・分析を実施した。
    調査方法は, 現地調査, アンケート調査及び資料調査等によった。その結果, 捕獲総数や県内の狩猟人口との相関関係が高いこと, 猟区の選択理由としては, 安全, 獲物の豊富さ, 案内人の有無等を挙げる人が多かったが, 捕獲率や案内人の有無等との相関関係は認められなかったこと等が明らかにされた。
  • 山本 祥子, 松原 秀也, 田中 康, 沈 悦, 斉藤 庸平
    2000 年64 巻5 号 p. 879-882
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    本論文は, 淡路島の北淡町の漁村集落を対象として, 当時の小学生の作文を分析することにより, 漁村集落の家族構成から避難行動および避難空間の特性を明らかにすることを目的とした。その結果, 家族構成や近隣の親戚の有無により避難行動が異なることが明らかになった。また, 避難行動に利用される避難場所にも違いがあることが明らかになった。近隣に親戚がいない核家族では, 最終避難地に直行し, 教育施設・地域公共施設を利用するパターンが, 近隣に親戚がいる核家族では, 親戚の安否確認をとる経由避難が多く見られた。また, 三世代同居家族では, 居住地周辺に避難待機した後, 最終避難地へ直行する場合が多数を占めた。
  • 岡田 幸恵, 中村 攻, 木下 勇, 齋藤 雪彦
    2000 年64 巻5 号 p. 883-886
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    本編は, 都市地区と農村地区における「虫取り遊び」の段階性と多様性を明らかにすることを目的として, 都市地区及び農村地区の2小学校区において, アンケート調査を行った後, ヒアリング調査を実施し, 以下の知見を得た。(1)「虫取り遊びの段階性」を「捕まえる, 遊ぶ, 飼う, 手放す」の4種の段階に分類でき, 都市地区では2種の段階が, 農村地区では4種の段階が主として見られた。(2) 虫取り遊びの段階性, 多様性を具体的に挙げ, 整理することができた。(3) 都市地区に比して農村地区の子供の方が, 遊びの段階の種類数が多く, 遊び空間の利用と把握, 虫の捕まえ方, 捕まえた虫の遊び方, という点で多様な虫取り遊びを行っていた。
  • 齋藤 雪彦, 中村 攻, 木下 勇, 椎野 亜紀夫
    2000 年64 巻5 号 p. 887-892
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    空間管理の停滞が起きている中山間地域において,「グリーンツーリズム (以下G.T.) によって空間管理を再生していく仕組みづくり」に資する知見を得ることを研究の目的とした。すなわち, G.T.を契機とする集落空間管理の変容を概観し, 集落空間管理の作業頻度の傾向から農家を類型化し, 類型とG.T.への参加意識, 参加状況との相関を分析し, 以下の結論を得た。下:(1) G.T.を契機とし, 地域住民, 都市住民による, 多様な空間の管理の再生とこれに対応した新たな管理システムの創出が見られた。(2) 農家毎に見た, G.T.への参加意識の高さ, 参加状況の多様性と,「水田管理作業頻度全般の高低」,「非水田管理作業全般の低さ」には相関が見られた。
  • 荒 美紀子, 沈 悦, 平田 富士男, 岩崎 寛, 横山 浩二, 斎藤 庸平
    2000 年64 巻5 号 p. 893-896
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    地域レベルで取り組むべき環境問題が顕在化しており, 解決のためには住民による地域環境の把握と住民の環境問題意識の向上が重要である。本研究では環境特性の一つとして気温分布を取り上げ, 公立小学校を観測点とし.教員の協力を得て等温分布図を作成する新しい気温調査方法を試みた。作成した等温分布図は地元の通説や農業生産地の分布と一致し, 調査に参加したことによる教員の地域環境に対する意識の向上がアンケートにおいて認められた。さらに年間4回の測定結果を公的機関における気温測定値と比較したところ高い相関係数が得られた。公立小学校参加型という本研究の手法は, 地域環境を題材とした環境教育方法として有効であるといえる。
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