アルコール依存症者や多量飲酒者は,当院のような総合病院に多く受診していることが明らかになっているが,その対策は当院においてもほとんど進んでいない。
当院では入院患者に対するリエゾン活動を行っているが,その約6割がせん妄に関するコンサルトであった。このことを踏まえ,せん妄発症リスクの一つとして多量飲酒・アルコール依存症にフォーカスを当てた,せん妄のアセスメントシートを作成した。またアルコール離脱症候群のマネジメントおよびその後のアルコール関連問題への心理社会的な介入の仕方を示したアセスメントシートも作成し,院内で学習会を開催している。このような取り組みにより,入院,外来においてコンサルト事例の増加を認めた。
本稿では,上記の取り組みの詳細や今後の課題,そして総合病院においてアルコール問題へ介入する際のポイントについて考察を行った。
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