Lennard-Jones流体とそれらを成分とするモデル溶液,LB-2-1系のモンテカルロ計算を臨界点近傍あるいは超臨界領域で行い,系の状態方程式や熱力学量の圧力依存性を求めた。その結果から,系の過剰体積,
VE,は高圧ではほとんど0であり,過剰エンタルピー,
HE,はモル分率が0.5付近で約2~300J・mol
-1程度であり,大きな圧力依存性を示さないことがわかった。
HEに含まれる
PVE項からの寄与は小さく,ポテンシャルエネルギーの変化による寄与が支配的であった。また,計算機実験は実験的に測定が困難な高温・高圧での熱測定データの不足を補うとともに,巨視的熱力学量から微視的情報を類推するための支援的役割を十分に担いうることがわかった。
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