熱測定
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31 巻, 2 号
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  • Takayoshi Kimura, Takanori Matsushita, Kenzi Suzuki, Sadao Takagi
    2004 年 31 巻 2 号 p. 62-68
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    Excess enthalpies of binary mixtures between each of acetonitrile, propionitrile, butyronitrile, pentanenitrile and benzonitrile + methyl methyithiomethyl sulfoxide (MMTSO) and + dimethyl sulfoxide (DMSO) have been determined at 298.15K. All mixtures showed positive enthalpy change over the whole range of mole fractions except acetonitrile + DMSO over 0.95 in mole fraction of DMSO.
    Partial molar enthalpies of the mixtures of acetonitrile (1) + DMSO (2) around 0.65 in mole fraction have maximum of HE1 and minimum of HE2. Linear relations are obtained between limiting excess partial molar enthalpies and (μ12μ22)(r1+r2)-6 except the mixtures containing for benzonitrile. However limiting excess partial molar enthalpies of the mixtures of aromoatic compounds + MMTSO or + DMSO showed good relation with (α2μ121μ22)(r1+r2)-6.
  • 戸塚 裕一, 山本 恵司
    2004 年 31 巻 2 号 p. 69-73
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    DSCを用いて医薬品の分子状態の評価を行った。粉砕および噴霧乾燥処理により得られた非晶質ClarithromicinのDSC測定を行ったところ,結晶化に伴う発熱ピークの形状が異なっており,30分粉砕物はブロードおよびシャープな二つのピークが認められるが,噴霧乾燥物ではブロードなピークのみが観察された。Cefditoren pivoxil非晶質の安定性について検討するため,ガラス転移およびエンタルピー緩和に関して温度変調DSCを用いた測定を行った。Cefditoren pivoxilの噴霧乾燥物および30分粉砕物をそれぞれガラス転移温度以下で等温保存した時,噴霧乾燥物では保持時間や保存温度を変化させても,Tgおよびエンタルピー緩和量はほとんど変化しなかったが,30分粉砕物では,保存温度と保持時間を変化させることによりTgおよびエンタルピー緩和量は変動した。噴霧乾燥物の安定性は30分粉砕物に比べ高いことが認められており,30分粉砕物は等温保存中に安定化したと推察された。メソポーラスシリカFSM-16(Do)とSalicylamideを混合したときの熱挙動を検討した。DSC測定によりSalicylamideの三つの状態,すなわち,Salicylamide結晶,融点よりも低温側にブロードな吸熱ピークを示す結晶格子に乱れを生じた状態,DSC曲線上で熱の出入りが検知されない非晶質もしくは表面に吸着した状態を区別することが可能であった。
  • 川上 亘作
    2004 年 31 巻 2 号 p. 74-79
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    等温カロリメータを用いて非晶質材料の構造緩和および回復過程の評価を試みた。これまで汎用されてきたDSC法と異なり,本手法は緩和過程を直接観察することが可能である。また,ほとんど報告例のない回復過程も評価できることが分かった。両過程ともKWW式の導関数によって解析が可能であり,求められた緩和パラメータは,DSCより求められたものと一致することが確認された。本手法の長所と短所についても考察を行う。
  • 吉橋 泰生, 米持 悦生, 寺田 勝英
    2004 年 31 巻 2 号 p. 80-86
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    微少熱量計の固形医薬品の安定性評価への応用について解説した。種々の固体状態での反応速度モデルを,微少熱量計により得られる医薬品の測定データに適用した。最適な反応速度式を実験データにあてはめることにより,医薬品の分解速度定数が予測された。6ヵ月以上を費やし,従来から行われている煩雑な方法により分解速度定数を求めた。予測された分解速度定数と実際に測定した分解速度定数は良好に一致した。微少熱量計を用いた安定性予測の方法は,簡便かつ短期間での測定を可能とし,この方法は簡便な医薬品の安定性スクリーニング法として有用と考えられた。
  • 村勢 則郎
    2004 年 31 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    凍結した架橋デキストランゲルを昇温すると,架橋密度が適当な場合,氷晶形成による結晶化現象が観測される場合がある。この昇温結晶化のメカニズムを解明する目的で,DSC,ラマン散乱,X線回折-DSC同時測定を行った。その結果,凍結挙動だけでなく,生成する氷晶のサイズも架橋密度に依存することが明らかになった。すなわち,二次元X線回折-DSC同時測定の結果から,昇温結晶化の観察されるゲルではサイズの小さな氷晶の形成されやすいことが示唆された。また,ラマン散乱実験から,このゲルにおいてガラス状態の水の存在が示唆された。したがって,高分子網目構造の存在および凍結時における網目構造の変化により,高分子ゲル中において氷晶形成は妨げられることが明らかになった。これまでに得られた知見より,昇温結晶化のメカニズムについて議論した。
  • 2004 年 31 巻 2 号 p. 93
    発行日: 2004/03/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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