熱測定
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21 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 大久保 信明, 吉田 博久
    1994 年21 巻2 号 p. 55-60
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    ポリプロピレンと短繊維のガラス繊維の複合材料について,動的粘弾性挙動を調べることにより,ポリプロピレンに対するガラス繊維充填の効果や影響,およびポリプロピレンとガラス繊維の界面における相互作用について検討した。不飽和カルボン酸として無水マレイン酸をグラフトしたポリプロピレンは,ガラス繊維による補強効果が得られるとともに,ガラス繊維の含有量の増加とともに貯蔵弾性率E'が増加した。また無水マレイン酸処理を行わないポリプロピレンは,ガラス繊維による補強効果が得られないことを確認した。ポリプロピレンの結晶部分に由来する緩和現象について検討した結果,ポリプロピレンとガラス繊維の密着性の鍵となる界面では,ポリプロピレンの非晶部分の運動が関係していることが示唆された。
  • ヘプタコサン(n-C27H56)のACカロリメトリーによる測定
    猿山 靖夫, 高見沢 橄一郎, 占部 美子
    1994 年21 巻2 号 p. 61-67
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    ヘプタコサンの回転相における熱容量の温度および時間依存性を,ACカロリメトリーによって調べた。相転移挙動に対する同族体不純物の影響を避けるため,高純度の試料(99.9%)を合成して用いた。0.5K/minでの温度走査では,回転相において0.3sec程度の緩和時間をもった運動が存在することが明らかになった。回転相内で温度を固定すると,熱容量は時間と共に非常にゆっくりと変化した。回転相内で12時間緩和した試料をいったん低温相まで降温し,その後液相まで昇温した。その間の熱容量の温度依存性から,329.9K以上で緩和した後の状態と,329.5K以下で緩和した後の状態とは,互いに異なった状態であり,回転相の温度域には二つの安定相が存在することが明らかになった。これらの実験結果を説明する現象論的モデルの検討も行った。
  • 若倉 正英, 篠原 誉, 金井 武男
    1994 年21 巻2 号 p. 68-75
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    石油化学工業の災害は依然として減少の兆しを見せていないが,それらの災害では反応の熱的暴走が主原因となる例が少なくない。
    化学災害を防止を目的とする,種々の熱的測定装置の開発が進み,反応性化学物質や化学プロセスの熱危険性予測の重要性が認識されつつある。
    一方,過酸化水素や有機過酸化物は,合成反応原料や触媒として工業的な重要性が高く,また反応中間体として生成する例も少なくない。これらの化合物は不安定なペルオキシ結合を有することから反応,貯蔵,輸送,処理工程での火災や爆発事故が数多く発生し,反応暴走事故の主要原因物質とみなされている。
    われわれはこれらの過酸化物の反応プロセスにおける熱危険性を検討しており,今回はアミノチアジアゾールニトリル誘導体のアミド化にともなう,熱危険性評価を加圧DSC,反応熱量計を用いて行った。
    試料の5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-メトキシイミノアセトニトリル(以下M-14と略す)は,医薬品製造の中間体として知られている。
    M-14と同時に,他の環状ニトリル化合物のアミド化反応での熱的挙動も検討した。
    以上の測定より得られた知見を整理する。
    (1)加圧DSCは溶剤に希釈されていたり,揮発性のある不安定化学物質試料の熱的評価に有効であった。また,熱分析での測定結果は比較的試料量の多い反応熱量測定の安全な測定条件を設定するためにも必要である。
    (2)ニトリル化合物のアミド化ではニトリル化合物や溶媒の種類,温度,反応温度などにより,反応が熱的に暴走する可能性があることが明らかになった。
    (3)ニトリル基と芳香環(複素環)との位置により反応性に大きな差がみられた。これは生成するニトリルラジカルの安定性の相違によるものと推定される。
    (4)反応熱量計(RC1)を用いることで溶媒の種類や温度条件,撹拌速度,冷却能力などの適切な設定が可能となった。
  • 江原 賢二, 橋本 寿正
    1994 年21 巻2 号 p. 76-80
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    Recently, the computer aided engineering (CAE) technology has been developed in the field of polymer processing and plastic molding. In this stage, the thermal properties, such as thermal diffusivity and specific heat, has become more significant. To attain this purpose, the data base will be required more exactly and speedy. The more precise data of thermal properties, which are systematically arranged, lead to the second stage development of CAE technology.
  • 片山 巖, 飯田 孝道
    1994 年21 巻2 号 p. 81-91
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    希土類元素を含む二元系合金および化合物の熱力学的性質の高温におけるデータベースの基礎として,Hultgrenらのデータ集以後の文献を1974年のMetals AbstractsあるいはChemical Abstractsからピックアップして表にまとめた。二元系化合物についての熱力学的データはMet. Review MMIJ 9(1), 51(1992)に集録している。
  • クロロフィルaの熱分解挙動
    石渡 真理子
    1994 年21 巻2 号 p. 92-95
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 清水 博
    1994 年21 巻2 号 p. 96-98
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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