熱測定
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33 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 静的熱量測定の基本と研究・開発への応用
    小川 英生, 松本 明彦, 坂井 悦郎, 岩渕 和則, 南朴木 孝至, 萩原 清市
    2006 年 33 巻 4 号 p. 148-159
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    静的熱量測定法は材料の研究開発および品質管理に極めて有力な手段であるが,熱量計の使用方法が複雑と思われがちで十分活用されていないのが現状である。この方法の普及を図るため,はじめに静的熱量測定法を熱力学の基礎と結びつけて説明し,最近の熱量計開発動向を確認した後,四分野への応用を解説した。界面化学への応用として吸着熱・浸漬熱の基礎と吸着熱測定から多孔質固体のキャラクタリゼーションをどのように行うかを紹介した。建設分野への応用としてセメントはじめ種々の建設材料の開発と品質管理に伝導型,恒温壁型および断熱型熱量計が広く用いられていることを紹介した。農業分野への応用として農業廃棄物の再利用と熱測定による微生物活性測定を述べた。最後に工業洗浄分野への応用として,フルオロブチルメチルエーテルを用いた洗浄では乾燥後のシミが問題となっていたが,混合熱データを基に適切なリンス剤を選ぶことでシミの残らない洗浄と乾燥が可能であることを述べた。
  • 秋重 幸邦
    2006 年 33 巻 4 号 p. 160-166
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    KF添加のチタン酸バリウム単結晶(Ba1-xKxTiO3-xFx)において,x=0.1のとき,室温での圧電定数d33が300pCN-1と大きな値を持つことを見出した。また,BaTiO3とは組成の異なるBaTi2O5単結晶において,誘電率が30000にも達する誘電異常がTC=750K付近に存在し,室温で7μCcm-2の自発分極が出現することを見出した。応用的にも興味深く思われるので,これら新規チタン酸バリウム系強誘電体単結晶の誘電的,熱的,構造的特徴を,BaTiO3の場合と比較しつつ紹介する。
  • Recent Results on Superconducting YBa2Cu3Ox Single Crystals
    Christoph Meingast
    2006 年 33 巻 4 号 p. 167-173
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    High-resolution thermal expansion measurements of solids provide a very useful and complimentary (to heat capacity) method for studying the thermodynamics of solid-state systems. In this short review, first, different measurement techniques are discussed with special emphasis given to capacitance dilatometry. Then, recent results on the thermal expansion of the high-temperature superconductor (HTSC) YBa2Cu3Ox are presented and used to discuss uniaxial pressure effects of Tc, the nature of superconducting fluctuations and oxygen-vacancy ordering in YBa2Cu3Ox.
  • 川崎 佑子, 児玉 美智子
    2006 年 33 巻 4 号 p. 174-182
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,スフィンゴシン鎖とアシル鎖の鎖長が著しく非対称のN-リグノセロイルスフィンゴミエリン(C24:0-SM)のサブゲル-ゲル(TS)およびゲル-液晶(TM)相転移挙動をミクロ示差走査熱量測定(DSC)によって検討した。ゲル相温度で調製したC24:0-SMベシクル懸濁液のDSCを連続的に昇降温を繰り返して行ったところ,TM転移エンタルピーは36.0から32.6kJ(mol lipid)-1までの,僅かな減少であったが,TS転移エンタルピーは,25.9から16.9kJ(mol lipid)-1まで,約40%も減少した。このTS転移エンタルピーの大きな減少の原因を明らかにするために,ゲル相温度で調製したC24:0-SMベシクル懸濁液を異なる温度で15時間の期間にわたって熱処理を施した。その結果,TS転移は可逆的相転移であるのに対して,TM転移は可逆的相転移ではないこと,すなわち,TM転移温度での熱処理時間の増大に伴って,TS転移エンタルピーは著しく減少することが明らかになった。さらに,C24:0-SM2分子膜の低温サブゲル相での集合形態を電子顕微鏡観察によって検討した。その結果,TM転移温度での熱処理時間の増大に伴って,C24:0-SMのサブゲル相の集合形態は,平板状の多重層構造から,大きいサイズの多重膜ベシクルを経て,最終的には比較的小さいサイズの1重膜ベシクルまで,膜表面の曲率を増大させる方向に,著しく変化することが明らかとなった。
  • 中嶋 健, 西 敏夫
    2006 年 33 巻 4 号 p. 183-190
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    原子間力顕微鏡(AFM)の出現によって私たちは高分子1本鎖の統計力学的性質を実験的に調べることができるようになった。この手法はナノフィッシングと呼ばれ,基板上に一端で吸着した高分子鎖のもう一方の端を力学的に釣り上げる技術である。θ溶媒中での力-伸張距離曲線はみみず鎖モデルとのよい一致を示し,エントロピー弾性についてのミクロな情報を与えた。その溶媒効果についても議論した。またAFMのカンチレバーをその共振点で振動させることによって,ナノフィッシング技術を動的粘弾性測定に応用できるように拡張した。この方法によって1分子レベルの弾性と粘性を同時にかつ定量的に調べることが可能となった。低伸張域での約10kHzの摂動に対して,溶媒との摩擦に関する現象が抽出できた。以上のように静的・動的ナノフィッシングは高分子物理学の基本的命題に対して実験的証拠を与えるものであることが明らかとなった。さらに近い将来においては,巨視的な測定では平均の中に埋もれてしまうような高分子鎖あるいは高分子溶液の性質を理解するために用いられることになるだろう。
  • 2006 年 33 巻 4 号 p. 191-193
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • ブロックコポリマーを用いた刺激応答性表面の創製
    塩野 翔平, 金岡 鍾局, 青島 貞人
    2006 年 33 巻 4 号 p. 194-195
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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