軟質木材の有効利用を目的として,中国山東省産の毛白楊(
Populus tomentosa Carr.)の板目材を用いて層状圧縮の方法,圧縮材の密度分布,硬さの変化及び表面密度と硬さの関係について検討した。木材の水分と予熱時間をコントロールすることによって,木材の表層から中央部までの任意の位置において一つあるいは二つの圧縮層を得ることができた。同じ圧縮材の中の非圧縮層の平均密度は0.61~0.65g/cm
3で,圧縮層の平均密度は0.79~0.89g/cm
3であった。圧縮層の位置によってその密度も異なった。圧縮層が表面にある場合,その密度と硬さは最も高く,対照に比べてそれぞれ78.1%と127.6%向上し,最大密度は1.00g/cm
3に達した。圧縮層が中央部にある場合,その平均密度は対照に比べて57.1%向上した。層状に圧縮された木材の表面硬さは表面密度に対して指数関数的に増大した。
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