木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
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69 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ミニレビュー
カテゴリーII
  • 永井 拓生
    2023 年 69 巻 2 号 p. 66-78
    発行日: 2023/04/25
    公開日: 2023/04/29
    ジャーナル フリー

    ヨシ群落の適切な管理保全を達成するために,ヨシ(Phragmites australis)の活用法の確立は重要な課題である。本研究では,将来的なヨシ活用の実現を目標とし,ヨシ稈の形状と力学的特性について基礎的な調査を行った。ヨシ稈の比重・曲げ強度・曲げヤング係数には互いに強い正の相関が確認された。これらの特性値はいずれも根際と穂先あたりでは相対的に小さく,中腹の胸高さあたりで最大となる。また,この付近では節同士の間隔が他部位よりも相対的に大きく,節の数が少ない。つまり,材質の強化による補強が行われている。一方,根際付近では稈断面寸法が他部位より大きいことに加え,節同士の間隔が詰まっており,形状操作による補強が行われている。このように,ヨシ稈においては草丈に亘る質量の増加を防ぎつつ各部の補強がなされており,構造力学的に非常に効率的な材料配置となっていることが確認できた。

  • 古俣 寛隆, 加用 千裕
    2023 年 69 巻 2 号 p. 79-91
    発行日: 2023/04/25
    公開日: 2023/04/29
    ジャーナル フリー

    国際連合食糧農業機関の統計データベースに基づき,世界の木質燃料消費量を推計し,途上国での燃料転換によって増加する化石燃料由来のCO2排出量を試算した。世界の木質燃料消費量は,2012年から2019年にかけて増加しており,増加比率が最も高かったのはWood pelletsであった。2019年に世界で消費された木質燃料の88.8%は,森林および林産工場由来の薪,チップ,おが屑,端材(以下,その他木質燃料という)だった。途上国におけるGDP(Gross Domestic Product) 成長率は,その他木質燃料の消費量が減少したグループで増加したグループよりも相対的に高かったが,消費量の減少比率とGDP成長率に相関関係はなかった。また,2027年前後を想定した短期的な将来に,途上国のWood charcoalとその他木質燃料が化石燃料に転換された場合に増加するCO2排出量は,28996~13799kt-CO2/年と算出された。

  • 北海道の事例
    折橋 健, 原田 陽, 西宮 耕栄
    2023 年 69 巻 2 号 p. 92-101
    発行日: 2023/04/25
    公開日: 2023/04/29
    ジャーナル フリー

    北海道において,木質バイオマス燃料を用いる燃焼装置を有し,得られたエネルギーを自ら利用もしくは他者へ販売する事業者を対象に,灰の発生量や利用に関する郵送アンケートを行い,85事業者より回答を得た。事業者あたりの灰の発生量は,紙製造業や発電所・熱供給業で全般的に多く,公共機関で最も少なかった。また,木材関連産業やその他の産業での灰発生量は中間規模であった。灰の利用を行う事業者の割合は,紙製造業や発電所・熱供給業で高いのに対し,その他の業種では相対的にその割合が低かった。灰の用途には「肥料あるいは堆肥」,「土壌改良資材」,「融雪資材」,「土木資材」および「リサイクル原料」があり,利用パターンは概ね3つ(未加工灰の肥料等での自家・他者利用,灰加工物の土木分野での自家・他者利用,リサイクル事業者による利用)に整理された。以上の他,本研究では道内での灰の利用に関する事業者の意識,課題を明らかにした。

エラータ
  • 石原 亘, 高梨 隆也, 大橋 義徳, 宮崎 淳子, 中島 昌一, 宮武 敦, 新藤 健太
    2023 年 69 巻 2 号 p. 102
    発行日: 2023/04/25
    公開日: 2023/04/29
    ジャーナル フリー

                    論 文 訂 正

     

    木材学会誌に掲載された論文の内容について,下記の通り訂正します。

     

    論文表題:ねじり試験およびブロックせん断試験によるCLTの接着強度の評価

    著者:石原 亘,高梨隆也,大橋義徳,宮﨑淳子,中島昌一,宮武 敦,新藤健太

    掲載号:67巻2号 p.100-108(2021)

     

    訂正1 Table 2.を以下の内容に差し替える。

     

     

    訂正2 トドマツの英語表記が誤っていたため,以下の図表中において,トドマツの英語表記を下記のように訂正する。

     

    1)Table 1.における樹種名

    2)Fig. 4.における樹種名

    3)Table 3.における樹種名

    4)Fig. 5.における樹種名

    5)Fig. 6.における樹種名

    6)Fig. 7.における樹種名

    7)Fig. 8.における樹種名

    8)Fig. 9.における樹種名

     

    (訂正前)Sakharin fir

    (訂正後)Sakhalin fir

     

    訂正3 スギの英語表記が誤っていたため,以下の図表中において,スギの英語表記を下記のように訂正する。

     

    1)Table 1.における樹種名

    2)Table 3.における樹種名

    3)Fig. 5.における樹種名

    4)Fig. 8.における樹種名

     

    (訂正前)Japanese ceder

    (訂正後)Japanese cedar

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