木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
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最新号
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カテゴリーII
  • 渥美 幸大, 笹木 哲也
    2024 年 70 巻 2 号 p. 29-36
    発行日: 2024/04/25
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー

    石川県内に自生するMagnolia属4種の葉を,着葉する5月から落葉する10月にかけて採取し,これらに含有される揮発性化合物についてガスクロマトグラフィ質量分析計(GC-MS)により分析することで,組成の季節変動を調査した。その結果,4樹種で生理活性物質であるcaryophylleneとその類縁体の存在が確認された。タムシバ(M. salicifolia)からは他のMagnolia属とは異なり,生理活性物質であるα-asaroneが強いピーク面積で検出された。また,複数の化合物についてピーク面積の季節変動が確認された。これらの結果から,Magnolia属4種の葉は高い利用価値を有していることが判明した。

カテゴリーIII
  • 久保島 吉貴, 園田 里見, 加藤 英雄
    2024 年 70 巻 2 号 p. 37-45
    発行日: 2024/04/25
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー

    木製ガードレールのビームを支柱に取り付けたまま簡便に劣化診断を実施する方法を開発する目的で,試験体質量を直接測定せずに振動試験により試験体質量を推定する方法(質量付加振動法)によって木製ガードレールのビームの質量を推定した。丸棒小試験体(直径50 mm,75 mm,100 mm,長さ1000 mm)および木製ガードレールのビーム(直径200 mm,長さ1980 mm)を試験体として用いた。試験体に集中質量を加除した状態で曲げ振動試験を行った。その結果,質量付加振動法によって推定した試験体質量は,試験体端末条件の完全さを利用して補正することができた。これに基づき,木製ガードレールのビームの質量を現場で簡便に推定する方法を提案した。

  • 寸法型式204と206による検討
    井道 裕史, 加藤 英雄, 小島 瑛里奈
    2024 年 70 巻 2 号 p. 46-55
    発行日: 2024/04/25
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー

    ツーバイフォー住宅の横架材において国産材の利用を拡大させる方法の一つとして,スギを枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格のMSR(Machine Stress-Rated)枠組材として格付けすることが考えられる。しかしながら,今後幅広材やより厚い材料を用いるにあたってはいくつかの技術的課題への対応が必要である。スギの寸法型式204,206を用いて各種ヤング係数について検討した結果,以下の結論が得られた。加力面(木表と木裏)の違いが曲げヤング係数に及ぼす影響は認められなかった。最大節の存在が曲げヤング係数に及ぼす影響は小さいと考えられた。品質管理に用いるヤング係数の測定方法として,縦振動法あるいはフラットワイズの曲げたわみ振動法が有用と考えられた。本試験体を現行のMSR枠組材の等級に基づいて区分した結果,曲げ強度ではなく曲げヤング係数が等級を決定づける要因となることがわかった。

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