横打撃共振法は簡易な立木材質診断法で,樹幹打撃時の振動・音の共振周波数
fと樹幹直径の積
d・
fを診断指標とすることができる。この
fの検出に及ぼすハンマー質量の影響を明らかにするため,胸高直径58~107cmの9樹種大径木21本を,質量の異なる8種類(101~3250g)の木製ハンマーで打撃した。全供試木において
fを同定することができ,大径木においても
d・
fを指標として材質の診断が可能であることが示された。質量の大きいハンマーでは低周波側の周波数ピークが発生しやすくなる傾向であった。ハンマー質量と共振周波数
fの検出力の関係を検討したところ,ハンマー質量が増加するにつれ
fの検出力が高くなる傾向であった(
R2=0.54~0.99)。このことから,大径木においては質量の大きいハンマーで
fを検出しやすいことが示された。また,軽量性と
fの検出力の両面を考慮した実用的なハンマー質量について考察した。
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