大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
ISSN-L : 1341-4178
34 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 松本 源生, 宇都宮 彬, 大石 興弘
    1999 年 34 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    九州地方において, 降水に含まれる硫酸イオン, 硝酸イオン, アンモニウムイオンおよび水素イオンの降下量を, 27地点の実測濃度データと118地点のAMeDAS降水量データを用いて推定した。推定法としては距離の逆数を重み係数とする補間による方法を用いた。この方法による濃度および降水量推定値は実測値との対応もよく, 推定精度は良好であった。降下量はメッシュ毎に推定し, 地域的および季節的に考察を行った。
    硫酸イオンの降下量は降水量との関係が強いのに対し, 硝酸イオンの降下量は降水量との関係が小さく地域汚染源の影響が見られた。アンモニウムイオンについては降水量と地域汚染源の影響がともに見られた。
    桜島火山起源の汚染物質は, 梅雨期と夏期に卓越する南西風により九州山地南東部に輸送され, また大陸起源の汚染物質は, 冬期に卓越する北西風により九州北部に輸送され降下すると考えられた。
  • 臭気センサー指示値と臭気指数との相関
    房家 正博, 雨谷 敬史, 松下 秀鶴, 相馬 光之
    1999 年 34 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    し尿処理施設, クラフトパルプ工場など5つの施設の悪臭発生源から採取した試料ガスおよびタバコ臭, 生ごみ臭など室内の代表的悪臭5種について, 臭気指数を求めるとともに, 臭気センサーを用いてセンサー指示値を求め, 両者の関係を調べた。
    その結果, 悪臭現場から得られた試料や代表的室内臭気はすべて, 臭気センサー指示値と臭気指数との間に良好な相関関係を示すことを認めた。また, 臭気の質によっては, 用いた臭気センサーの感度は悪臭防止法の最も厳しい規制基準値の臭気指数10を求めるには不十分であるものの, 個々の臭気質ごとに臭気センサー指示値と臭気指数との相関式を求めておくことによって, 臭気センサー指示値から簡便に臭気指数を予測することが可能であることを認めた。
  • 今井 弘, 中林 安雄, 今井 了一
    1999 年 34 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大阪府吹田市の関西大学キャンパス内で, 1993年から1995年にわたって一降雨の全雨水を採取して降雨の性質を調べた。pH5.6以下の降雨の出現率は約88%であった。雨水中のCu2+の平均含有量は27.0μg/Lで, pHが4以下になると, Cu2+の含有量は急に増加した。導電率の平均値は23.6μS/cmであった。pHと導電率との関係はかなりバラツキがあるが, pHが約5.5よりも低くなると, 導電率は急に大きくなり, またpHが5.5よりも高くなっても, 導電率は大きくなる傾向を示した。
    1995年度における一降雨を降雨量1mmごとに8mmまで採取して, 主要イオン種であるNa+, K+, NH4+, Mg2+, Ca2+, Cl-, NO3-, SO42-の含有量を調べた結果, 平均含有量は初期の雨水 (1mm) において最も高く, 降雨量が3mm以降になると徐々に減少するか, またはほぼ一定値に達した。これと同じような傾向が導電率についてもみられた。雨水のpHは, 降雨量が多くなるほど, 低くなるような傾向を示した。pAi (=-log ([NO3-] + [SO42-])) と導電率の対数 (logλ) との間に直線関係が認められた。雨水中のNa+とCl-の発生源は海塩成分のほかに人為的な発生が関与しまたNH4+とnss-SO42-のモル濃度の平均値の比は1.27であり, SO42-は遊離の硫酸の状態とともに, NH4+以外の陽イオンとも硫酸塩をつくって雨水中に取り込まれていることなどが明らかになった。
  • 福崎 紀夫, 原 宏, Gregory P. Ayers
    1999 年 34 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    降水試料を,(1) 無処理-室温,(2) ろ過 (洗浄済みの孔径0.45μmメンブランフィルター使用)-室温,(3) チモール添加 (40mg/100mL)-室温,(4) 無処理-冷蔵 (4℃),(5) ろ過 (4℃)-冷蔵の各方法で21日~59日間保存しH+ (pH) 変化および溶存成分の濃度を比較した。H+ (有機酸) やNH4+の保存には, チモール添加が最も有効である。冷蔵保存がこれに次ぎ有機酸以外の主要な成分の保存に, また, ろ過は黄砂現象時のように懸濁物質が多い場合カルシウム化合物などの溶出を防ぐために有効な保存方法と考えられる。これらの結果から, 降水時開放型捕集器を用いて降水試料を捕集する場合であっても冷蔵保存できない場合や有機酸を測定対象項目に含める場合には, 試料捕集ビンにあらかじめチモールを入れて降水を捕集し, 試料を実験室に持ち帰ってから懸濁物質およびチモールの残結晶をろ別し分析時まで冷蔵保存することが推奨される。
  • 高月 紘
    1999 年 34 巻 1 号 p. A1-A7
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 米元 純三
    1999 年 34 巻 1 号 p. A8-A14
    発行日: 1999/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top