大気環境学会誌
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36 巻 , 4 号
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  • 泉水 義大, 戸村 健児
    36 巻 (2001) 4 号 p. 185-194
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    埼玉県南部, 地上20mで, 大気中の浮遊粒子状物質のうちSPM10 (≦10μm) を1997年4月~1999年6月の長期間, およびSPM2.5 (≦2.7±0.6μm) を2000年1~2月の短期間採集し, 含有される20元素の濃度を機器中性子放射化分析法で分析した。いわゆる自然生因といわれる元素などでは, 3~5月および10~11月に季節の変わり目の強風に起因するとみられる明瞭な濃度ピークが観測された。 SPM10試料中のモル比 [Cl]/[Na] および [Br]/[Na] を海水中のそれぞれの比で割った商は周期的な季節変動を示した。また, 冬季における [Cl]/[Na] 比と風速の問には [Cl]/[Na] 比平均値に対し約-19 (%/ms-1) の勾配の逆相関関係が見られた。風速効果を除くために風速0.5~3 (ms-1) の範囲で, log [Cl]/[Na] およびlog [Br]/[Na] をサンプリング中の平均温度の逆数1/T (K-1) に対してプロットするとデータはそれぞれ正勾配の直線に沿って並んだ。揮発性C1およびBr化学種の吸着・脱着の観点に立てば, これらの勾配からClおよびBrに対して見かけの吸着エンタルピーH=84および66 (kJ/mol) をそれぞれ得る。 SPM2.5試料に関して, 温度範囲326~367 (K) でSPM中のClの脱着測定を試み, 揮発成分は全Clの約60%および脱着の活性化エネルギーEd-65 (kJ/mol) であることがわかった。これらの値の大きさは文献 (Laudolt-Börunstein) による活性炭上の簡単なClの炭化水素化合物の吸着エンタルピーに近い。
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  • 池浦 太荘, 柳川 正男, 大野 ちづ子
    36 巻 (2001) 4 号 p. 195-207
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    環境大気中のホルムアルデヒドを2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン含浸シリカゲルで24時間捕集しGC/MSにより分析したところ, 2, 4-ジニトロアニリン, 5-ニトロベンゾフラゾン, m-ジニトロベンゼン, 2, 4-ジニトロフェノール, 1-クロロ-2, 4-ジニトロベンゼン, 5-ニトロベンゾフラゾン-3-オキシド, 1-ヨード-2, 4-ジニトロベンゼン, 1, 2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン, 2-クロロ-5-ニトロアニリン, m-ニトロアニリンが検出された。これらの化合物は, 2, 4-ジニトロフェニルヒドラジンと二酸化窒素, よう素, 塩素などとの反応により生成したと推察された。また, 5%フェニルメチルシロキサン被覆カラムを用いて熱イオン化検出器付ガスクロマトグラフ装置により分析するとき, 2, 4-ジニトロアニリンとホルムアルデヒド-2, 4-DNPHzの保持時間がほぼ等しいため, 大きな正の妨害が起こり定量不能となることが分かった。この妨害は無極性のメチルシリコン被覆カラムを使用し昇温プログラムを工夫することにより回避できた。
    DNPHの分解反応は, 大気中の二酸化窒素濃度とDNPH含浸シリカゲル上の水分量に大きく依存するため, 試料捕集部の加温, 除湿管ないしDMN/Celiteスクラバーの使用が妨害反応の抑制に効果的なことが分かった。
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  • 大原 利眞, 若松 伸司, 鵜野 伊津志, 神成 陽容
    36 巻 (2001) 4 号 p. 208-230
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大阪を中心とする関西地域において, 春季に発生する二酸化窒素NO2などの高濃度汚染メカニズムを解明するために, 1993年4月に航空機観測を含む特別観測が国立環境研究所と関西地域の地方自治体によって実施された。観測期間中には二酸化窒素とオゾンの両方が高濃度となる汚染状態が発生し, これらの物質を含む多種類の汚染物質の動態を航空機, 生駒山および地上における立体観測によって観測することに成功した。本研究は, この高濃度状態の再現を目標とした数値シミュレーションモデルを構築し, 立体観測データによって総合的に検証したものである。
    構築した数値モデルを検証した結果, 地上の常時大気測定局で測定されたNOx, NO2, Ox (O3), SO2, NMHC濃度の時間変動がモデルによって良好に再現されること, 航空機観測結果などによって得られた多種類の物質 (NO2, O3, VOC成分等) の鉛直濃度分布がモデルによってほぼ再現されること, 生駒山で測定された濃度時間変動もモデルによって説明できること, サルフェイトに関してもバックグラウンドが高いもののモデルによってほぼ再現できることなどが明らかとなった。これらの結果から, 本研究で構築した数値シミュレーションモデルによって, 観測された高濃度エピソードにおけるNO2をはじめとする多種類の汚染物質の動態をモデル化できたと考えられる。
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  • 大原 利眞, 若松 伸司, 鵜野 伊津志
    36 巻 (2001) 4 号 p. 231-243
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大阪を中心とする関西地域において春季に発生する二酸化窒素NO2などの高濃度汚染メカニズムを解明するために, 1993年4月に航空機観測を含む特別観測が実施され (Wakamatsu et al., 1998), そこで得られた観測データをもとに汚染動態を再現可能な数値シミュレーションモデルが構築された (大原ほか, 2001)。本論文は, この数値モデルを用いたシミュレーションによって, 特別観測で捉えられた春季高濃度エピソードにおける汚染発生原因を明らかにすることを目的とする。
    始めに基本シミュレーション結果の解析結果から, 大阪湾上の船舶から排出された窒素酸化物NOxは大阪湾周辺地域のNO2汚染に大きな影響を及ぼしていること, NO2汚染の発生には大阪湾周辺の局地風循環の影響が大きいこと, 地上オゾンは混合層発達に伴うバックグラウンド (BG) オゾンの上層からの取り込みと都市域で排出されるNOとの反応消滅によって都市域周辺の丘陵・山岳において高濃度となることなどが明らかとなった。
    次に, 3種類の感度解析実験 (生成要因感析実験, 前駆物質排出削減実験, BGオゾン変動実験) を実施し, その結果,(1) NO2生成過程を期間平均で評価すると, モデル領域内からの一次排出10%, モデル境界からの流入40%, 反応生成50%(BGオゾンとの反応による生成60%, 光化学反応による消滅10%) と推計されること,(2) 大阪湾周辺地域の地上におけるオゾン生成過程を期間平均で評価すると光化学反応による生成寄与が10%と小さいのに対してBGオゾン寄与は90%と大きいこと,(3) モデル領域内のNOx排出量の削減率とNO2濃度との問には線形関係が成立し, NO2濃度低減のためにはNOx排出量の削減が有効なこと,(4) NMHC排出削減によるNO2低減効果は極めて小さいこと,(5) NO2濃度に対するBGオゾンの影響は大きいこと, などが明らかとなった。また, 以上で示したように春季のNO2生成に対しBGオゾンの影響が大きいこと, 並びに年間を通して4月にBGオゾンが最も高くなること (長野八方尾根における観測結果による) から, NO2が春季に高濃度となる原因としてNOとBGオゾンとの反応による生成が多いことが考えられる。
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  • 小暮 信之, 鋤柄 耕治, Marilin Mariano Dos SANTOS
    36 巻 (2001) 4 号 p. 244-251
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    凝縮粒子の生成機構の解明および標準測定方法の確立に資するため, 重油燃焼排ガス中の凝縮粒子の特性について, 任意に排ガスの温度勾配を設定可能な試験ダクトを用いて検討した。
    その結果, 高温部で採取したダストの色は黒色で無臭であったのに対し, 低温部で採取した凝縮粒子の色は褐色化して, 刺激性の強い臭いがし, 排ガス温度の違いによる性状に差が認められた。また, 低温部の凝縮粒子の濃度は高温部のダストに比べて約2~4倍増大し, 凝縮粒子の形態は膜状や1~10μmの液滴状を呈していた。主な化学成分は元素状炭素Celで, ダストは70%前後, 凝縮粒子は90%前後となり, この差は排ガス温度の低下によるガス状からの相変化に起因することが示された。一方, 水溶性成分はダストも凝縮粒子も大半をSO42-で占めたが, 両者の全体に対する成分比率には大きな相違は認められなかった。
    今回の調査で, 凝縮粒子の生成機構の解明において, 排ガス温度とガス状物質の依存性を十分考慮して検討すること, 標準測定方法として, 凝縮粒子を何度で捕集・評価するかを規定するかが重要な要因となること, また幾つかの測定上の問題・注意点などが明らかとなった。
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