我々のグループでは、集積回路と高感度な焦電型赤外線センサを一体化するため、シリコン基板上へγ-Al
2O
3薄膜をエピタキシャル成長させたγ-Al
2O
3/Si基板の利用を提案している。これまで、γ-Al
2O
3/Si基板上にはPtおよびPZT薄膜が基板方位に沿ってエピタキシャル成長することがわかっており、特に(001)面にエピタキシャル成長させたPZT薄膜で1.8×10
-8 μC/Kcm²の焦電係数が得られている。今回、この(001)エピタキシャルPZT薄膜を用いて赤外線センサを作製した。黒体炉とメカニカルチョッパを用いてセンサの動作を観測したところ、セラミックスを用いたセンサの10倍程度のチョッピング周波数である100Hzまでの動作が確認できた。この結果より、高性能な焦電型赤外線イメージセンサの実現が期待できる。
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