画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第239回研究会講演予稿
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
開催日:2008年7月31日 会場:岩手県立大学
9:30-10:50 座長:松田 浩一(岩手県立大学)
  • 小川 優樹, 藤本 忠博, 千葉 則茂
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-01
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    炎や水などの流体に関するビジュアルシミュレーションは,CG の歴史の中でも長い間研究者の興味を集めてきた魅力的な研究テーマの一つであり,現在は物理ベースシミュレーションに基づく手法が主流となっている.本論文では,物理ベースシミュレーションと比較し,より効率的に炎のアニメーションを得る一つのアプローチとして,ろうそくの炎のスチルに対して,連続的にモーフィングを適用することにより炎のアニメーションを得る手法を提案する.本手法では,モーフィングでの画像の変形をコントロールする制御線の運動を1/ f β ノイズを適用して生成しており,空気の乱れによる炎の揺らぎが表現可能である.
  • 村木 祐太, 今野 晃市, 徳山 喜政
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-02
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    N 辺形形状の曲面当てはめは,古くから多くの人により研究されている.しかし,細長い形状への曲面当てはめにおいては,歪んだ形状が生成されたり,隣接面と不連続であったり,ユーザーによる手動入力が必要であったりと,どの手法も一長一短である.これら3 つの問題を同時に解決するのは,いまだ困難である.本論文では,細長い形状に対して正N 角形を生成するように分割曲線を生成することで,隣接面とG¹ 連続かつ滑らかな曲面生成を可能にする手法を提案する.はじめに,分割する稜線のパラメータを決定し,領域を分割する稜線を生成する.その後で,分割した各領域に曲面を当てはめる.
  • 小泉 真也
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-03
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    カラリゼーションは,モノクロの静止画や動画の着色を効率的に行うために,近年急速に進歩している技術である.カラリゼーションは不良設定問題であるため,従来提案されている手法の多くは,ユーザが手掛かりとなる色の情報を与えることによって,着色を実現している.しかしながら,この方法では,ユーザによる主観的な色の情報の与え方に着色結果が依存し,精度の高い着色を行うためには,熟練の手が必要となる.本稿では,画像の各画素がもつ色相値と輝度値との関係に着目し,モノクロ画像から本来のカラー画像を客観的に推測するための手助けとして,ベイズ推定を適用したカラリゼーションの自動化の試みを示す.
  • 後藤 智英, 小杉 信, 向井 信彦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-04
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では、コンピュータグラフィックスにより現実感のある降雪シーンをリアルタイムで生成する一手法を提案する。降雪に関する先行研究で椎名らは、無風で雪粒同士の衝突がないことを条件として実際の雪粒の動きを観測し、雪粒の粒径から落下速度を導出し、形状から降雪の運動パターンを分類した。この運動パターンは主に鉛直落下、斜め落下、回転落下の3種がある。そこで我々は各パターンの動きを表現するために、雪のデータを解析して雪粒の形状、面積から雪粒の移動距離や移動方向などの関係式を導出した。これらを基に、雪粒に球状ポリゴンを用い、この雪粒の大きさと形状を変化させ、3つの運動パターンを組み合わせて雪の動きを生成した。さらに降雪と背景を組み合わせた描画により、リアルタイムでの実感的な降雪シミュレーションを実現した。
11:00-12:20 座長:有川 知彦(NTTサービスインテグレーション基盤研究所)
  • 伊藤 健太郎, 中里 友紀, 向井 信彦, 小杉 信
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では,コンピュータグラフィックス(CG)を用いて人物の行動シミュレーションを行う際,視覚を持つ人物モデルの提案を行うと共に,各人物モデルが周囲環境から獲得した視覚情報を基に,自律的な人物行動の生成手法について述べる.視覚情報は各人物モデルの視点において,周囲環境データから物体の色情報と物体までの奥行情報を獲得することで得られる.そして,これらの情報と各人物に与えたパラメータを基に,ファジィ理論を用いることによって,柔軟な判断を行う様々な人物行動の生成を可能とする.本手法を信号機のある横断歩道での人物行動に適用することで,信号が変わる際の各個人における位置や特徴を考慮した様々な人物行動,あるいは人物の回避行動を自動的に生成することを可能とした.
  • - ペンデバイスを用いたラフスケッチ手法 -
    柳 云善, 原美 オサマ, 藤本 忠博, 千葉 則茂
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本論文では,線描などのベクトルイメージを生成するためのスケッチインタフェースの開発について報告する.近年,ペンデバイスを用いたユーザインタフェースに関する研究が活発に行われている.筆者等は,ペンデバイスを用いたベクトルイメージの生成のためのインタフェースを実現するために,実際の手描きの特徴を考慮した単一ストロークの整形処理,複数線分の交差構造を表す平面グラフの生成,効果的な削除機能の開発などを行ってきた.これらは,アナログデバイスの特徴とベクトルグラフィックスのデータ構造を考慮することにより,より効率的にベクトルイメージを生成することを可能にしている.
  • 高橋 俊一, 今野 晃市, 金野 哲士, 千葉 史
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    遺物の復元は,出土した土器片の分類から組み立てまでをほとんど手作業で行っている.このため,土器片の数が多いほど復元に時間を要する.また,専門的な知識も必要となる.本稿では,破片形状の3次元座標点群を利用した土器片のマッチング手法について検討する.本手法は,まず,3次元計測器で土器片を計測することで3次元座標点群を獲得し,獲得した3次元座標点群から土器片の輪郭線を抽出する.その後,分割した輪郭線ごとに幾何情報と文様の位置を比較評価することで,土器片のマッチングを行う.
  • 村上 達哉, 田中 ダン
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    私達が生活の中で生み出す動きの軌跡を生活動線と呼ぶ。この動線の総距離が短いほど効率のよい動きであるといえる。本報告では、天井に固定したカメラで撮影した範囲内の人物を検出し追い続け、その室内の生活動線を数量的に求める。それらを用いて、よく利用する場所、そうでない場所、室内の行動パターンを分析・評価し、最適な物品の配置を提案する。人物検出、人物追跡には差分法や粗視化などのアルゴリズムを用い、動線検出の正確さと処理速度とを適切に両立させることを目指す。
13:10-14:30 座長:小野 文孝(東京工芸大学)
  • 田辺 雅貴, 篠原 克幸
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-09
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    部分画像検索のための物体領域抽出手法を提案する.部分画像検索において,画像中から検索対象となる物体領域のみを抽出することは重要な課題となっている.本報告では,今枝らの研究で導入された対象物らしさを表す存在確率マップと輝度ヒストグラムを用いた手法を応用した.提案手法では,与えられた大まかな物体領域から存在確率マップと色ヒストグラムを用いて物体領域の抽出結果を繰り返し学習させることで,より正確な物体領域を抽出することを目的としている.
  • 阿部 拓也, 篠原 克幸
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本報告では,局所特徴量を用いた画像検索に対して,特徴量の位置関係を考慮することで検索精度の向上を目指した.特徴点の部分的な集中は局所特徴量を用いた画像検索において問題とされている.それに対してLoupiasらは特徴点が部分的に集中しない特徴点抽出手法を提案し,類似画像検索を行っている.そこで,さらに検索精度を向上させるために,本手法では特徴量の位置関係を考慮した特徴量の抽出,比較を行った.本報告では,特徴量とその位置関係を比較するために,Geometric Hashingを用いた検索を行い,従来手法と検索精度を比較した.
  • 中西 朋生, 神保 緩美, 篠原 克幸
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    膨大な量の画像を所持可能な現在では,目的の画像を高速かつ正確に検索できることは非常に重要になってきている.そこで本論文では,Wavelet変換にヒルベルト走査を用いた画像検索の手法を提案する.2次元データである画像に対してWavelet変換を行う場合,同じ画素に対して2度処理を行うため変換時間が問題となる.そこで,ヒルベルト走査を用い画像を1次元データに変換することにより処理時間を短縮し,従来手法に比べて高速に画像を検索することを可能にした.
  • ウム セレイビラ, 長谷川 まどか, 加藤 茂夫
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-12
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では,クメール(カンボジア)の文字認識について提案する.クメール語は表音文字であり,単語は母音と子音から構成される.クメール文字は縦と横のストロークが多いという特徴があり,また母音と子音の配置に特有の規則がある.本研究ではこれらの特徴を利用して,携帯電話で撮影したクメールの文字画像を認識し,クメール語-日本語の翻訳支援システムの構築を目的としている.この支援システムにおいては,例えば,日本人がカンボジアを旅行する際,分からないカンボジア語を携帯電話で撮影し,サーバに送信することで,その単語の意味を日本語で旅行者に返信される.
14:40-16:00 座長:吉川 浩 (日本大学)
  • 大竹 宏樹, 長谷川 まどか, 加藤 茂夫
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-13
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    電子透かし技術はさまざまな画像処理に対して耐性がなければならない.我々は幾何学的改変に対する電子透かしの耐性について検討している.幾何学的改変を受けた画像から透かし情報を抽出する場合,透かし情報の埋込位置に関する同期が失われ,透かし情報の検出が困難になるという問題がある.本稿では幾何学的改変を受けた透かし入り画像から透かし情報を抽出する際の透かし情報の埋込位置の同期を取る前処理を提案する.本方式では,幾何学的改変による攻撃を受けた画像に対して,アフィン逆変換を施すことによって透かし情報の位置の同期を取っている. アフィン逆変換のパラメータを求めるための対応点として攻撃前の画像と攻撃後の画像の2画像それぞれの4頂点を利用している.
  • 松本 尚也, 阿部 時也, 羽石 秀昭
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    圧縮符号化を伴うカラー動画像伝送システムにおいて,高い色再現性を維持した伝送を実現しようとする場合,主観的に劣化を知覚させない程度の適切な圧縮率の設定が必要となる.そこでは,色再現性を含めた画質に関して,主観的な評価との相関性が高い客観的評価尺度が求められる.本研究では,近年利用が広がりつつあるH.264/AVCを対象とし,色再現性の観点から,CIELAB色差および,その改良版であるS-CIELAB色差を取り上げる.まず,圧縮画像の各フレームにS-CIELABを適用したところ,CIELABよりも相関性が向上する結果が得られたものの,十分とはいえないものであった.そこで次に,H.264/AVCによる劣化が主に濃淡分布の平坦な領域で知覚されるという被験者のコメントに基づき,色差算出領域をフレーム内の平坦部分に制限する工夫を行うことにより,さらに主観評価との相関性が向上する結果を得ることができた.
  • 内山 慧一, 阿部 時也, 羽石 秀昭
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    電子商取引,電子美術館などの分野では,撮影光源や入力系デバイスに依らない任意光源下における被写体の正確な色再現予測が求められており,対象の分光情報に基づいた分光反射率推定を行う研究が近年活発に行われている.しかし,蛍光性反射物体には入射光に依存する蛍光発光特性があるため,従来の分光反射率を用いた色再現予測では正しく色再現が行われない.これら問題点を解決するため,先行研究において分光反射・蛍光発光特性行列のモデル化と,そのパラメータ推定法が提案された.本研究では先行研究における手法に対して,シミュレーション上で実測の分光反射・蛍光発光特性データベースを用いて色再現性を評価することにより,精度の検証を行った.
  • 内藤 彰子, 阿部 時也, 羽石 秀昭
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-16
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    従来,色の違いを定量化する際には国際照明委員会CIEが規定するCIELAB色差が用いられてきた.しかし,CIELAB色差は空間的に一様な分布を持つ色票を対象とした客観評価方法であるため空間的な色分布を持つカラー画像を対象とすると必ずしも主観評価との相関がとれるとは限らない.そこで,主観評価と高い相関性を持つ客観評価尺度の確立が求められている.本研究では,CIELAB色差に対して視覚の空間周波数感度特性やマスク効果といった視覚特性を考慮するよう改良を加えた.実際に評価実験を行い,主観評価との相関性を検証したところ良好な結果を得ることができた.
16:10-16:50 座長:越智 宏(日本大学)
  • 天野 雄介, 下平 美文
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-17
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究では,色・質感再現性に重点を置いたノイズ除去・色復元手法を提案する.着目画素の信号値を再現するために,着目画素を中心とする5x5 ピクセルのマスク内において,着目画素と周辺画素の色差と空間相関性を用いている.そして,ゴマ塩ノイズによって劣化した画像に対して提案手法を適用し,ノイズ検出精度及び画像復元性の点について評価を行ったところ,ノイズ除去精度と色・質感再現性について良好な結果が得られた.
  • 藤井 知彦, 吉川 浩
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-01-18
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究は計算機合成レインボウホログラム(CGRH)における仮想物体のリアリティー向上を目的とする.既存の3D-APIを用いて輝度と奥行き2枚の画像を使用することで,計算機合成ホログラムの入力データに必要な隠面・シェーディング処理された3次元の点光源集合を簡易に取得することができる.以前の研究では,隠面処理とシェーディング処理の簡易化を目的としたが,本研究では,2次元画像データのレンダリングにOpenGLを用いることで,隠面・シェーディング処理以外にもOpenGLの機能を簡易にCGRHに導入することができることを示す.また本手法を用いてレインボウホログラムを作製し良好な再生像を得ることができた.
16:55-17:30 座長:関沢 秀和(画像電子学会 顧問)
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