テレビ番組制作で利用されるバーチャルスタジオは,リアルな仮想シーンを表現するために各映像素材間のカメラパラメータを一致させ映像合成を行う.しかし,特殊な三脚あるいはクレーンを利用する従来のカメラパラメータ抽出手法ではハンディカメラのような自由度がなく演出が制限される.そこで,我々は赤外線による不可視マーカーを被写体側に埋め込み,放送用カメラに取り付けるレンズと同光軸となるよう赤外線カメラを組み込み,これらから得られた赤外線画像よりカメラパラメータを算出することで課題の解決を図った.また,ズーム量については,ズームリングの動きを機械的に読み取ることにより検出しており,カメラパラメータとして光軸方向への並進とズーム変更の区別を実現している.今回,提案手法による映像合成実験により,その有効性を確認したのでここに報告する.
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